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  <title>旅日記</title>
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  <description>作中の『カミサマ』とは、Articolato Rosatraum　Waentbryda Sterwilfin　White Mithra　Oblige Saccade　のプレイヤーのこと。
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  <lastBuildDate>Fri, 06 Jan 2017 22:53:39 GMT</lastBuildDate>
  <language>ja</language>
  <copyright>© Ninja Tools Inc.</copyright>
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    <title>投稿予定のメモ</title>
    <description>
    <![CDATA[久々にエオルゼアの創作予定です。<br />
<br />
書きかけ<br />
＊いくさびとの休日<br />
＊忘却の乙女と眠る旧都<br />
＊合縁奇縁<br />
＊自然のちから<br />
＊追憶のメリル・ロアユ<br />
<br />
【ストーリーもの】<br />
＊祝勝会の真実<br />
＊冬き都に辿り着くまで<br />
＊英雄は疫病神（3.4ネタバレ）<br />
<br />
【アルティコレート】<br />
＊フライトラップサラダ<br />
＊後輩の戦場調理師<br />
＊クッキー好きの友達<br />
<br />
【ウェントブリダ】<br />
＊英雄は厄神？<br />
＊マメット・＊＊＊（暗黒騎士ネタバレ）<br />
＊呪いの疵痕<br />
＊宝玉とは<br />
<br />
【アンフェルツイート】<br />
＊道士ときみと（白魔ネタバレ）<br />
＊つりどーらくはじめました<br />
<br />
【その他】<br />
＊花ひらく商人<br />
＊花冠と二人の料理人<br />
＊死者の迷宮紀]]>
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    <category>未選択</category>
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    <pubDate>Fri, 06 Jan 2017 22:53:39 GMT</pubDate>
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    <item>
    <title>彼女の銘　4/4</title>
    <description>
    <![CDATA[｢その時は……貴女の手で｣<br />
<br />
<br />
──その槍を折ってやってほしい。<br />
<br />
<br />
その言葉を紡ぐ木工師の、その目はただただまっすぐに、“心より先には折れぬ槍”を見据えていた。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
彼女の銘　4/4<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
｢それはどういう……｣<br />
｢それは貴女に贈る槍だからね｣<br />
<br />
レアヌの問いに、ウェントブリダは笑みで返す。一足先に察したらしいイタバシもまた、悪戯そうな笑みを浮かべたのを見て、レアヌは訝しむ。<br />
<br />
<br />
｢この槍はウーツ鋼を使い、魔触媒を利用しています。これらは既に今は失われたアラグの技術だ｣<br />
｢ええ、そう聞いたわ｣<br />
<br />
アラグ帝国。<br />
5000年ほど前、第三星暦において第四霊災まで1000年にわたって栄えたとされる、伝説の超高度文明。<br />
その特徴は魔力を電源とした多種多様な機械技術と、竜すら操る使役技術、そして、キメラ。<br />
ガレマール帝国の技術力ですら、足下にも及ばない。この槍に込められた技術は、そんな機械技術に伴った金属開発や魔力導電のための触媒加工など。<br />
<br />
<br />
｢……この槍が貴女の手にあるうちはきっと大丈夫だ。けれど、離れた時、この槍をガレマールや第三者が奪うかもしれない｣<br />
<br />
<br />
彼女は再現して見せた。<br />
金属は小片を溶かし合わせたもの、触媒は遺物を分解して得たものであるが、それでも。<br />
<br />
ここにあるのは武器として使える、遺物のレプリカ。<br />
<br />
｢機密保持のため、ということね……｣<br />
｢更々君以外に渡す気もない、というのもあるけれどね｣<br />
<br />
彼女は強気に笑ってみせる。<br />
信じられる相手だから、捧げても良いのだと。<br />
そう言わんばかりの表情で。<br />
<br />
<br />
｢分かったわ、その時は……｣<br />
｢ええ、手間をかける。アンフェルの言うとおりの君で良かったよ｣<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
｢え～っ！？風の花嫁さんから頂いたんですかっ！？｣<br />
<br />
<br />
後日、夕闇に染まるカーラインカフェにて、レアヌはその場にいなかった隊員であるカスリに槍の件を報告したのだが……<br />
<br />
<br />
｢そんなぁ、私も呼んで欲しかった－！あの人、革細工のブランドの代表さんなんですよ～！？勿体ない－！｣<br />
<br />
<br />
なんだか無茶ぶりがちにぽかすかと殴られるレアヌなのであった。<br />
まるで子供のような彼女を、イタバシがからかって一悶着になるのだが。<br />
<br />
これまでにない想いの重みとは裏腹に、グリダニアは日常へと戻っていく。<br />
<br />
<br />
｢ま、まあ、次機会があったらね？｣<br />
｢約束ですよ！？｣]]>
    </description>
    <category>Waentbryda</category>
    <link>http://balladofmagi.side-story.net/waentbryda/%E5%BD%BC%E5%A5%B3%E3%81%AE%E9%8A%98%E3%80%804-4</link>
    <pubDate>Thu, 26 Nov 2015 05:05:28 GMT</pubDate>
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    <item>
    <title>彼女の銘　3/4</title>
    <description>
    <![CDATA[心より先には折れぬ槍を。<br />
そう願って造られた槍の柄は、黒檀の心材。<br />
元々小さな樹である黒檀の、その内側に秘められし黒々として美しい様は、大変稀少であることの意味を思い知らせる。<br />
<br />
ボルセルの許可を取り、手に取ったそれは木材としてはずっしりと重い。一方でその重さに見合った、耐久性もこの槍の特徴と言えるだろう。<br />
<br />
｢……凄い。まるで金属槍のようね｣<br />
｢ですがエボニーは金属にはない木材のしなやかさも持つ。彼女の狙いは其処でしょう｣<br />
<br />
使われているウーツの合金の、青みがかった黒い金属の表面に溝が彫られ、其処に水色の光の線が奔っている。<br />
魔触媒で固定化された、マテリアのとも、クリスタルのとも言えるその輝きは、最高のエーテル伝導物質である金によって支えられていた。<br />
<br />
｢物理的な鋭利さの限界を、エーテルの刃で補おうという考えですね｣<br />
｢それは便利な技術だが……冒険者の装備でも滅多に見ないぞ？｣<br />
<br />
純粋な強化と言えるその技術が、一般に使われていない理由は確かにある。ただ簡単なことだ。<br />
その技術は失われた筈のものなのだから。<br />
<br />
｢彼女ですら、使った魔触媒は再利用品かと。こうやって正しく触媒を使える者も稀でしょうが｣<br />
｢なる程……一般に普及するようなものではないんだな｣<br />
<br />
ジンの応答に頷き、見惚れるレアヌの前で、イタバシはもう一度、ほうと息を吐いた。<br />
<br />
｢自分の心のままに作品を作って食い潰れない……化け物ですよ、彼女は｣<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
｢誰が化け物だって？｣<br />
｢いやぁ、褒めていますよ？風の花嫁さん｣<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
｢お気に召されましたでしょうか、レアヌ・カトリィ様｣<br />
<br />
闇夜の青が風のエーテルの描き出す鮮やかな碧へと溶け込んだかのような、二色の美しい長髪。<br />
細い目から覗く、黒曜石の瞳。<br />
堀の深い顔立ちと、陶磁のように白い肌は彼女がルガディンの海の民、ゼーウォルフであることを示している。<br />
翼を畳んだ鳥の意匠の施されたバトルドレスに、ドマの珍しい長弓を背負っている。<br />
バトルドレスに隠れた白いブーツの、綺麗にされてはいても取り切れないすれた跡が、これらの衣装が飾りでは無いことを知らしめていた。<br />
<br />
<br />
｢貴女は……！？｣<br />
<br />
<br />
ジンが驚きを見せるが、其れも仕方の無いことだろう。<br />
先日救った職人の女性が明らかに自分より熟練の冒険者の装いで現れたのだから。<br />
 &nbsp; &nbsp;<br />
｢や、ジン君と言ったね。先日は助かったよ、イタバシ君も｣<br />
<br />
彼女は流れるように膝を折って、エレゼン式の礼をする。<br />
<br />
｢私はウェントブリダ＝ステルウィルフィン。風の花嫁とも呼ばれている者だ｣<br />
<br />
彼女は忙しい身の上である。<br />
通常、黒衣森は精霊が拒む者の侵入を許さない。現在の森は、霊災の影響かその力も弱まってしまっているが、其れでも事前に精霊にお伺いを立てるのも、立派な習わしである。<br />
<br />
今回の彼女の旅は、森を守る者達に宛てる者とは言え、武器の輸送に他ならなかった。お伺いを立てるほどの時間が作れず、しかしながら出来る限り精霊を脅かしたくない。其れが彼女の考えであり、結論があの非武装の強行路であった。<br />
<br />
彼女も革細工師である以上、森の恵みを受ける者であったから。<br />
経緯を説明し、改めて彼女は言葉にする。<br />
<br />
<br />
｢危機を救って頂き、本当に感謝しています。有難う｣<br />
<br />
今度は本当に心からのルガディン式の素朴な礼。余りに深々と頭を下げるものだから、礼を受ける側のジンが慌てて静止しようとしてしまう始末。<br />
<br />
｢此度の品はその礼をと思い自ら作らせて頂いたものです。受け取って頂けるだろうか｣<br />
<br />
｢ええ、勿論です。大事にさせて頂きましょう｣<br />
｢はい！有難う御座います！｣<br />
｢分かったわ、じゃあ使わせて貰おうかな｣<br />
<br />
三者三様、ながら、それぞれの快諾に。花嫁は嬉しそうに微笑んでもう一つ願い出た。<br />
<br />
｢有難う、其れは良かった……であれば、もう一つだけ願いがあるのだ｣<br />
<br />
優しい笑顔。だが、真剣そのものの眼差しで。<br />
<br />
｢この槍が貴女にとって不要になり、手放すとき。どうかこの槍は……｣<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
｢貴女の手で折ってやってほしい｣<br />
]]>
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    <category>Waentbryda</category>
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    <pubDate>Tue, 10 Nov 2015 22:54:17 GMT</pubDate>
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    <item>
    <title>彼女の銘　2/4</title>
    <description>
    <![CDATA[｢成る程、実に災難でしたね｣<br />
｢何から何まで世話になってしまい、申し訳ないな｣<br />
｢貴女の身が損なわれる事より悪いことはありませんよ。職人はそのようなものでしょう？｣<br />
<br />
グリダニア、カーラインカフェ。<br />
先に出会った双蛇党の呪術師に、護衛だけでなく商品を欠損してしまい、納品が遅れる事への執り成し迄して頂いてしまった。<br />
槍を投げることを選んだのは咄嗟の選択だし仕方ないのだが、その投げた槍をそのまま納品するわけにはいかないからだ。<br />
<br />
｢本当に助かったよ、世話になった｣<br />
｢ええ、貴方の作を楽しみにしています｣<br />
｢ご無事で何よりですよ｣<br />
<br />
剣術士の青年と、呪術師の男性に深く頭を下げ礼を告げる。別れ際に、呪術師が耳元に囁いた言葉は、きっと彼なりのサービスだったのだろう。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
彼女の銘　2/4<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
｢そう、今年もそんな時期になったのね｣<br />
<br />
<br />
衣替え。<br />
人々が服装を春夏用のものから秋冬用のものに切り替えるこの時期、双蛇党も形は違えど衣替えというべきものがあった。<br />
春に入ってきた新兵達は、多くの場合この頃に入隊時に与えられていた武器や防具を取り替える。<br />
其れからも半年毎に装備を新調する習慣を付けると、自然と双蛇党にとってもこの頃が衣替えとなってくるというわけだ。<br />
<br />
｢ああ、其れなのだがレア｣<br />
｢何かしら、ボルセル｣<br />
<br />
基本的には、同じ都市にギルドを構える革細工ギルドや木工ギルドからの頂き物を当てることが多く、そうでなくても党単位で物資を購入するため、武器や防具を検めるという機会は少ない。<br />
<br />
｢お前と、お前のところの新兵……ジンとイタバシだったか。3人を指名して装備の提供があったのだ。2人を呼んできてくれるか｣<br />
｢え、私？……と、ジンとイタバシ……？また妙な取り合わせね｣<br />
<br />
だが、其れにも例外はあって。<br />
一部の党員は指名の元装備の提供があったり、逆に技師を指名して装備を作らせることがあるという。<br />
其れが我が身にというのは意外なことであるが。<br />
<br />
｢分かったわ、今日は新市街を巡回しているはずだし……技師の方は？｣<br />
｢後程改めて伺う、とのことだ。装備は其れまでに叶うなら見ておいて欲しいと｣<br />
｢了解、じゃあ呼んでくるわ｣<br />
<br />
相手は一体誰なのか。<br />
想像も付か無かったのだろう、首を傾げながらも隊の者を呼びに出る後輩の背を見送り、ボルセルもまた不思議そうな声色で呟いた。<br />
<br />
｢『神憑き』の、からとは……一体何をやったんだろうな……｣<br />
<br />
添えられた礼状に視線を下ろしながら。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
｢待たせたわね、ボルセル｣ &nbsp; &nbsp;<br />
｢巡回任務中すまんな。衣替えはもう少し先だが、先立って個人より装備の寄付があった｣<br />
<br />
｢衣替え？｣<br />
｢普段着を秋冬用に変えるように、装備も点検・交換を行うのですよ｣<br />
<br />
用件を伝えず回収したのか、疑問の声を上げるジンに、イタバシがフォローを入れる。<br />
その様子に取りあえず説明義務が不要である事を確認して、レアヌは尋ねた。<br />
<br />
｢私達を指名して、ってことよね。誰から？｣<br />
｢“風の花嫁”より、感謝を込めて。とある｣<br />
<br />
ボルセルはそれに対して礼状を渡すことにした。<br />
其れが一番説明として間違いが無いだろうと考えられたからだ。今でもそれなりに値が張る柔らかい白の紙に、偽造避けであろう、本来は魔術書などに用いられるエンチャントインクで丁寧に文字が綴られている。<br />
<br />
<br />
『はじめまして、レアヌ・カトリィ様<br />
　改めて伺うとは思いますが、先にご挨拶を。<br />
　先日貴女様の部下である、ジン様、イタバシ様に救って頂きました。<br />
　何か御礼をと思いましたが互いに忙しい身ゆえその時は言葉のみになり心苦しく思っていたところ、衣替えの話を伺いまして。<br />
　人々を守る貴女と、貴女の守るこの森の助けになりますよう。<br />
　風の花嫁より、感謝を込めて。<br />
　　　　　　　　Waentbryda Sterrwilfwyn』<br />
<br />
｢風の花嫁……｣<br />
<br />
命名規則はルガディンの、ゼーウォルフの女性のものだ。<br />
冒険者のクラフターというのも、最近は少なくない。恐らく彼女もそのクチで、移動中に襲われたのを二人に助けられたのだろう。<br />
<br />
｢届けられた品なんだが……こいつだ｣<br />
<br />
<br />
オークラディカル。<br />
オークの枝に、血と貝殻で呪いを施した両手用の幻具。<br />
スチールファルシオン。<br />
鋼製の流線の美しい素朴な刀。<br />
アイアンカイトシールド。<br />
鉄製の凧の形をとった、騎士には憧れでもある、控え目な装飾が目を引く盾。<br />
<br />
銘は彼女のものだ。どれもが支給品では敵わない質と、心が込められているのが分かる。<br />
<br />
｢素晴らしいですね、流石はこの道で食っているだけあります｣<br />
｢知ってるの？イタバシ｣<br />
｢ええ、噂の多い人間ですので｣<br />
<br />
ボルセルが、もう一品包みから取り出すのに、イタバシは感嘆の溜め息を吐きながら視線を向けた。<br />
其処にあったのは、一般の金属にない紫がかった黒い刃に、エーテルが奔っているかのように水色の輝きが線を引いている。<br />
<br />
｢例えば、滅びたアラグの金属の輝きを再現できるクラフターの一人だ、などと｣<br />
<br />
<br />
──私の隊長は先日槍を折りましてねぇ。今期は隊長も衣替えになりそうですよ。<br />
<br />
｢黒檀の柄に、ウーツ合金ときましたか……｣<br />
｢ボ、ボルセル、これは……｣<br />
 &nbsp; &nbsp;<br />
<br />
<br />
<br />
｢ああ、此れも彼女からだ。心より先には折れぬ槍を、とお前にだそうだよ｣]]>
    </description>
    <category>Waentbryda</category>
    <link>http://balladofmagi.side-story.net/waentbryda/%E5%BD%BC%E5%A5%B3%E3%81%AE%E9%8A%98%E3%80%802-4</link>
    <pubDate>Thu, 05 Nov 2015 04:15:35 GMT</pubDate>
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    <item>
    <title>彼女の銘　1/4</title>
    <description>
    <![CDATA[『カミサマ』憑き。<br />
特定の状況下で、特異的な力を発揮する私達ReC一家を、事情を知る者はそう呼ぶ。<br />
まあ、光の戦士程表立って活動している訳じゃないし、そもそも私達が特殊であることを知らぬ者の方が多い。<br />
逆に言ってしまえば、『カミサマ』の居ないときの私達は、戦闘面においてはただの&ldquo;熟練の冒険者&rdquo;であるし、桁が違うほどの数の差を、覆せる程の英雄じゃない。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
彼女の銘　1/4<br />
<br />
<br />
薄闇が降りようとする黒衣森。<br />
中央森林を目指しながらも、大きく逸れてしまった獣道をクァールにしがみつくようにして走り抜ける。<br />
それもこれも、追われているからだ。獲物として。<br />
<br />
｢ったく、間の悪い&hellip;&hellip;！｣<br />
<br />
私は普段からグリダニアで活動しているわけでは無い。イシュガルドにも足を向けるようになり、彼の地で自らの工房とブランドを持つようになってからその工房で寝泊まりしている。<br />
後輩技師の指導、経営者であるエルドとの会議、見本品や上客への商品の納品と、イシュガルドでの仕事も多い。<br />
それでも私は革細工だけが仕事ではないし、ブランドフェン・イルを抱える革細工ギルドを抜けたわけでは無い。<br />
<br />
季節の変わり目にあたって、双蛇党の新兵達が武器や防具を変えるだろう。その者達の為にサンプルを木工と革細工、両方のギルドの名で送ることになっていた。<br />
勿論、ギルドの一員である私も例外では無い。<br />
今日はその商品を運ぶための旅でもあった。<br />
<br />
｢&hellip;&hellip;砂漠の奴等ならいい加減撒けるのだが｣<br />
<br />
消えない気配を感じて独り言つ。<br />
運悪く密猟者に絡まれた私達は、こうやって逃げの道を取りながらグリダニアを目指していたのだ。<br />
しかし未だ慣れぬ森の地は、奴さんのホームでもある。これでもかなりの距離を走ったと思うのだが&hellip;&hellip;<br />
&nbsp; &nbsp;<br />
｢のわっ！？｣<br />
<br />
考え事は廻る視界に遮られた。<br />
クァールが思いっきりつんのめったのだ。<br />
急ブレーキに対応出来ず、乗り手の私だけが宙に投げ出される。頭から落ちずに済んだのは幸いだが、強かに尻を打ち、思わずさすりながら状況をあらためる。<br />
<br />
｢よりによって&hellip;&hellip;｣<br />
<br />
クァールを見れば、前足をトラバサミに喰われていた。狩人としても経験のある身としては、傷付けずに外すことくらいはたいしたことでは無い。問題は&hellip;&hellip;<br />
<br />
｢やっと止まってくれましたか、お嬢さん｣<br />
｢クァールクロウ&hellip;&hellip;｣<br />
｢傷付け迄するつもりはないんですから、もっと早くに止まってくれても良かったんですよ？｣<br />
<br />
密猟王｢クァールクロウ｣。<br />
ムーンキーパーでありながら、さすらうのでは無く女性の同族を侍らせる事を選び、かつ、その女性らと同名の密猟団を築いて活動している密猟者だ。<br />
もっとも、クァールクロウなどというのは通名だろう。ミコッテ族の名からは大きく外れている。冒険者にはそのような者が多いし、何も珍しい事では無いが。<br />
<br />
｢ナイフの音で応えるだなんて、キミは相変わらず勿体ないねぇ｣<br />
｢生憎と、手紙の配達以外の依頼はお断りでね｣<br />
<br />
此奴との出会いは、かつて此奴の部下の一人への手紙を預かってしまった事に始まる。<br />
それから暫く、どうやら私の出身と立ち位置を調べ上げたらしい。<br />
て自ら追ってくるようになったのは、まこと面倒な事なのだが。<br />
<br />
&hellip;&hellip;それを久々の旅路、わすれていた私も私。<br />
<br />
｢君ほどの強く美しい女が、思うように狩ることも思うように作ることも出来ない｣<br />
｢私達革細工師は生かされているに過ぎぬ、其れを知らず土壌を枯らす事も省みないお前に寧ろ驚かされるよ｣<br />
｢冷たいねえ。&hellip;&hellip;でもいま、おのれの立場は分かっているか？｣<br />
<br />
周囲の気配が揺らぐのを感じて言葉に詰まる。<br />
手元にあるナイフひとつでは、目の前のクァールクロウに刺されぬよう身を守る事は出来ても、彼方此方に潜むそれらの気配を凌ぐことは出来ないだろう。<br />
<br />
｢高名な君だから、1着仕立ててくれれば今回の処は見逃すけれど。抵抗するなら&hellip;&hellip;作り手のその腕以外ダメにしてしまっても良いだろ？｣<br />
<br />
にじり寄る彼を前に、しかし下がるわけにもいかなかった。未だ罠に掛かったままのクァールがいるからだ。足をとられて振り返れないまま、それでも主を思ってか深くうなり声をあげている。<br />
<br />
私に出来るのは、ただ愛騎を護るように庇い立つことくらいであった。其れが抵抗の意思と見做されようと。<br />
<br />
｢まあ、其れでこそお前か｣<br />
<br />
其れに最初と同じような笑みを返してくる彼は、しかしながら次の瞬間その表情を引っ込めた。<br />
&nbsp; &nbsp;<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
飛びすさるように飛び退いた跡に、真っ直ぐな切っ先が走った。私と彼を遮るように、その剣の持ち主が影を落とす。<br />
飛び退いた彼はというと、弾けるように現れた爆炎に、更に二度、三度と後退を余儀なくされ、割入った影を睨みつける。<br />
<br />
｢ちぃ、双蛇党が&hellip;&hellip;！｣<br />
<br />
影は黄色の特徴的な衣を身に纏っていた。<br />
グリダニアの軍隊といってもいい、グランドカンパニー双蛇党の制服。　<br />
着れる者が限られるその色なら、僅かな間と言え、背を預ける事は出来よう。<br />
私はクァールの罠を外し、その積荷に手を掛ける。<br />
<br />
｢もう大丈夫です、下がってくださ──！？｣<br />
<br />
その中から取り出したサンプル品のスチールランス。私は躊躇いなく、その槍を、今一番&ldquo;敵視&rdquo;を感じるところへ、投擲した。<br />
<br />
｢きゃあ！？｣<br />
<br />
聞こえてきたのはクァールクロウの部下の悲鳴だ。あの位置から狙撃を試みていた者だろう。<br />
ややして、他の位置からも魔法の爆発音と共に他の敵意も感じられなくなった。<br />
<br />
｢てめえら&hellip;&hellip;！｣<br />
｢未だやるかっ｣<br />
<br />
クァールクロウは激昂しながらも、状況を理解してもいるらしい。<br />
しばしの睨み合いの後、彼は森の中へと消えていった。<br />
<br />
後は追わない。<br />
何時もの武器を持たぬ私も、助けに来てくれたこの彼も、敵の陣地で戦うのは無謀であると心得ているから。<br />
其れでも青年が悔しそうな視線を向けたままであったのは、正義感ゆえ、だろうか。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
そうして、少し。<br />
緊張が解かれた頃に掛けられる声があった。<br />
<br />
｢今度こそもう大丈夫ですよ、しかし良く気付かれましたね｣<br />
&nbsp; &nbsp;<br />
姿を現したのはララフェルの呪術師のように見える。グリダニアではララフェル自体多くなく、珍しい存在であり、私自身意外そうに視線を遣る。<br />
<br />
｢&hellip;&hellip;槍は専門外のように見受けられましたが、気高きお嬢さん。護衛は入り用ですか？｣<br />
<br />
其れが、私とこの隊の出会いの切っ掛けであった。]]>
    </description>
    <category>Waentbryda</category>
    <link>http://balladofmagi.side-story.net/waentbryda/%E5%BD%BC%E5%A5%B3%E3%81%AE%E9%8A%98%E3%80%801-4</link>
    <pubDate>Thu, 29 Oct 2015 07:26:52 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>少女が道士であればこそ　3/3</title>
    <description>
    <![CDATA[「貴女は&hellip;&hellip;？」<br />
<br />
正直なところ、その先には身を隠す悪党か随分と力のある道士が居るであろう姿を思い浮かべていたレアヌ。<br />
その先にいた姿が、少女と言っても可笑しくないあどけなさで迎えてくるとは思ってもおらず拍子抜けた表情が表に出る。<br />
辛うじて絞り出た誰何の言葉にも、そのペースを崩すことなく少女は答えた。<br />
<br />
「わたし？アンフェルツィートだよ」<br />
<br />
少女の視線が、2人の目線を離れ、2人の服に移る。好奇の目を輝かせた彼女が、双蛇党の仕事中であることを労い、また目的を問うてやっと、当初の目的を思い出すことが出来た。<br />
<br />
なにをしているの？<br />
<br />
そう無邪気に問う姿が、情報源になるかと言われると思えずにいられない。そんな雰囲気に呑まれそうになりながら、その問いに答えようとはして、気が付く。<br />
<br />
アンフェルツィート、というその名が指す存在の意味に。<br />
<br />
<br />
「&hellip;&hellip;キミが！？あの鬼哭の護衛を撒いたっていう」<br />
<br />
どうやらカスリも同じ結論に気が付いたようだ。信じられないような気持ちを抱きながら、レアヌも重ねて尋ねる。<br />
<br />
「本当に貴女が道士アンフェルツィート、なのね？」<br />
<br />
少しだけ驚いた表情をして、それから彼女は困ったような笑顔のまま頷いた。<br />
その答えは肯定。<br />
<br />
「貴女を探していたの、鬼哭の知人の依頼で」<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
「そっか、ハイノちゃんから&hellip;&hellip;」 &nbsp; &nbsp;<br />
<br />
アンフェルは、そう呟きながらカウルのフードを外した。その中身に、レアヌとカスリは二度息を呑むこととなった。<br />
<br />
褐色肌の彼女の持つ耳がエレゼンの長耳であることに。<br />
彼女の褐色の肌は、暗所に適応したシェーダーが、不慣れな光に肌を焼かれぬよう得た特徴。彼女の始祖は今も地下に眠るゲルモラの民。それは精霊を恐れ続ける事を選んだ者達。<br />
<br />
<br />
「驚く、よね。今は地上に暮らすシェーダーも多いし、特徴を失う人も多いけど。私のは色濃いし、何より」 <br />
<br />
<br />
その彼女が、人と精霊を橋渡しする道士であるという事実。彼女が道士に相応しくなければ、彼女はすぐさまに精霊の怒りに触れ鬼となるかその身は無事でも幻術の力は失うことだろう。<br />
精霊もまた、彼女が道士であることを許容している。<br />
<br />
「精霊評議会の為、だよね。でも、その様子だとそんなに重大な事のようには言われなかったよね？私のこと」 <br />
<br />
<br />
2人が頷くと、彼女は皮肉を嗤うかのような、自虐に満ちた笑顔を浮かべた。<br />
<br />
「私、居ても居なくてもおなじなんだ。精霊の声が聞けないから」<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
微かな滝の音の音色を背中に、暫しの時間を過ごす。変わり者の道士との、のどかな語らい。気付けばカスリなんかは、彼女と同じように素足を川に浸して、澄んだ清流を跳ねさせていた。<br />
<br />
「&hellip;&hellip;でも、心配そうに見えたよ？ハイノ」<br />
「そだね、ハイノちゃんは優しいから」<br />
<br />
きっと、道士はもっと恐れ多いものなのかも知れない。けれど、冒険者であり、お転婆にも見える彼女の姿はカスリにはとても親しみやすいものに見えた。<br />
<br />
「何時もこうしてるの？」<br />
「そーだなー。そして何時も日没頃にね、ハイノちゃんに見付かってどやされるの」<br />
<br />
くすり、と笑う彼女は無邪気で悪戯っぽく見えた。先の自虐のような笑みとは違い、楽しんでいるように見える。最初に抱かされたほど、彼女は悲観している訳でもないと、二人には伝わった。<br />
<br />
「よしっ、今日は少しはやいけど帰るの！心配は要らないと思うけど&hellip;&hellip;」<br />
「護衛は任せて！ハイノも諌めてあげるしっ」<br />
「ちょっとカスリ、確約できない事をそんな軽く&hellip;&hellip;」<br />
<br />
<br />
たしなめようとするレアヌの目の前で、能天気に談笑するカスリと其れに目を細め幸せそうに応答するアンフェルの姿が繰り広げてられていて。<br />
<br />
「&hellip;&hellip;自己責任よ？」<br />
<br />
苦笑いしながらも、悪くないといった声色で制止を諦めるレアヌであった。]]>
    </description>
    <category>Unverziert</category>
    <link>http://balladofmagi.side-story.net/unverziert/%E5%B0%91%E5%A5%B3%E3%81%8C%E9%81%93%E5%A3%AB%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8C%E3%81%B0%E3%81%93%E3%81%9D%E3%80%803-3</link>
    <pubDate>Wed, 09 Sep 2015 08:15:55 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>少女が道士であればこそ　2/3</title>
    <description>
    <![CDATA[森の都グリダニアを南から出ると、其処には比較的密度の浅い森が広がっている。<br />
一般に中央森林と呼ばれているこの地域はスプリガンの巣にさえ寄らなければ危険な魔物も多くなく、多少の心得のある人間にとっては散策に向いた森へと変わる。<br />
黒衣森の中では一際大きいこの地域。捜索は難航していた。<br />
<br />
「かくれんぼには広すぎよ&hellip;&hellip;」<br />
「うう、ハイノこれ全然ちょっとしたお願いじゃないよー&hellip;&hellip;」<br />
<br />
巡回任務自体を中止するわけにも行かず、捜索はレアヌとカスリの二人で行っていたのも難航の一因だった。聞き込みも行ったものの、行方を知る者もいなかった。<br />
<br />
幾つかある木製の橋の上、カスリが座り込むのに合わせて二人は一休みする事にした。<br />
<br />
<br />
橋の下を、ささやかな音を立てて清水が流れている。<br />
グリダニアの黒衣森は豊かな自然もそうだが、清らかな水にも恵まれている。<br />
この橋の下を通る川はこの北にある小さな滝から中央森林に流れ込み、南方へ流れ、ベントブランチで折り返して、北方、更にはグリダニアの湖に注いでいる。<br />
<br />
<br />
「一体何処に行ったのかしら&hellip;&hellip;」<br />
「中央森林は広いですもんねー&hellip;&hellip;あれ？」<br />
<br />
&nbsp; <br />
カスリは耳を傾ける。平和な中央森林は人気も少なく、化けキノコが位置を変える為、時々草を踏む以外は、水の流れる音がするだけだ。<br />
<br />
橋の北側を振り返れば、遠からぬ先に小さな滝が流れているのが見える。<br />
<br />
<br />
「滝の音が、聞こえない&hellip;&hellip;？」<br />
「え？」<br />
<br />
<br />
カスリの呟きに、レアヌもまた耳を傾けた。<br />
余りにも静かでのどかすぎて、かえって気付かなかったその違和感。<br />
<br />
<br />
「行ってみましょう、この近さで聞こえないのは流石に不自然よ」<br />
<br />
<br />
近付いていくと、やがて滝の音が世界に戻る。<br />
途切れる事無く音を奏でる滝の傍ら、岩に腰掛け気持ち良さそうに水を蹴る人の影。<br />
<br />
<br />
「あや？こんにちは？」<br />
<br />
<br />
羊毛のカウルなのか、自然な白を纏った銀髪の少女。<br />
サンダルを履いた褐色の脚を水に濡らしながら彼女は二人に曖昧に笑いかけた。]]>
    </description>
    <category>Unverziert</category>
    <link>http://balladofmagi.side-story.net/unverziert/%E5%B0%91%E5%A5%B3%E3%81%8C%E9%81%93%E5%A3%AB%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8C%E3%81%B0%E3%81%93%E3%81%9D%E3%80%802-3</link>
    <pubDate>Tue, 28 Jul 2015 05:51:15 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>旅路の終わりに。(未完)</title>
    <description>
    <![CDATA[(光の戦士は実在して、プレイヤーが『カミサマ』として憑依してるという設定)<br />
<br />
<br />
終わりが始まりである、とはよくいったものだ。<br />
時には心を曇らせたまま、時には超常の力を私達に丸投げして。<br />
何時にもなく憂鬱な『カミサマ』との旅。<br />
それもそう、なのかもしれない。<br />
<br />
<br />
――歴史を動かすものってのは、何時だって疫病神だから。<br />
<br />
<br />
『カミサマ』はそういって、旅路のなか、何度も私達に停滞を薦めた。<br />
今なら止まれる、と。今なら失わなくて済むかもしれないと。<br />
<br />
<br />
――私達は生きているのだ、どうせいつか死ぬのだよ。<br />
<br />
私はそう返したのだったか――<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
祝賀の席。<br />
私達、光の戦士には――他者に見せられるような笑顔はなく。<br />
密やかに祝賀の席を抜け出しては、各々の場へと転がり込んでいた。<br />
それぞれ理由は様々で、それぞれ場所も違うけれど、おもいはひとつ。<br />
<br />
<br />
――これは勝利と、いえるのだろうか。<br />
<br />
<br />
聡い彼女は、こういうだろう。『勝利にしていかねば、ならぬのです』と。<br />
優しい彼女は、こういうだろう。『勝利と思わねば、辛過ぎるよ』と。<br />
<br />
そして私は、ひとつの答えを出すだろう。<br />
『勝利はそもそも、犠牲を美化する為にあるのだろう』と。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
「オルシュファン様」<br />
<br />
<br />
交流が再開した折には、是非ともわたくしと、わたくしの旦那様と。<br />
釣りをしましょう、ラノシアの大海で。そう零した約束を、思い出す。<br />
<br />
一方的に提案した約束だった。返事すら聞かなかった。<br />
不確約な約束。でもそれがあるからこそ、未来をと願っていられた。<br />
未来も彼は失われないと、妄信的に考えていられたのかもしれない。<br />
<br />
<br />
「軍学者としては、失格でしたかもしれません」<br />
<br />
<br />
いのちが失われるのは、何時も一瞬。彼だけじゃない、イゼルだって。<br />
もう少し、予測できていれば、身構えていれば、咄嗟の対応がうまくいけば。<br />
最善がこれであるとは、どうしても思えないのは、きっとわたくしが軍師であるから。<br />
<br />
<br />
「わたくしはこれを、勝利とは言いたくありません&hellip;&hellip;<br />
　余りにも、余りにも、失ったものが多すぎるのです」<br />
<br />
<br />
喜びに沸き立つ祝賀の席では、到底言えぬ心の言葉。<br />
嘆いても戻らぬ、戦友の命。後ろを向いては進まぬ、歩みの跡。<br />
<br />
<br />
「けれど現実は塗り替えられませんから」<br />
<br />
<br />
深く深く、眠りに易き森の緑の法衣を。<br />
ふわり雪の上に広げ、彼女は祈る。<br />
<br />
<br />
「せめてご心配はおかけしません。見守っているだけでは物足りなくなるような<br />
　賑やかで美しい都を――未来を、形作っていきますわ」<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
「歴史家が、この戦を辛勝でもなく、『勝利であった』といえますよう」<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
「いぜる」<br />
<br />
「ねえ、いぜる。何処までいったの？」<br />
<br />
<br />
黄昏色に染まる雲海の中空で、召喚師が問う。きっとあの激闘のあった場所。<br />
エーテルに還った彼女が「いきつく」場所などたったひとつ。<br />
わかっていても、認められずに。<br />
<br />
<br />
「シヴァのエギを、生み出したら。貴女に会える？」<br />
<br />
<br />
蛮神の力を制御し、使い魔とし、操るのが召喚師。<br />
しかし、今彼女は知った。蛮神とは祈りとエーテルがもたらす偶像に過ぎぬと。<br />
彼女の祈りが氷の乙女を蛮神として、使い魔として、手繰り寄せたとしても。<br />
<br />
<br />
「それもまた氷結の幻想に過ぎない&hellip;&hellip;よね」<br />
<br />
<br />
それは今度は彼女が生む、ひとときの夢でしかない。<br />
<br />
<br />
「あんまりだよ！オルシュファン様もエスティニアン様も、イゼルも、イゼルも&hellip;&hellip;」<br />
<br />
<br />
彼女を乗せる名のある竜は、ただ静かに彼女の慟哭を聞く。<br />
彼女が思いっきり泣けるように、その心を阻害することないように。<br />
<br />
<br />
「イゼルとも一緒に帰ってこれないなんて！」<br />
<br />
<br />
いつしか涙声混じり、少女は叫ぶ。<br />
幼子の駄々のようなその声で涙を振り払うように顔を振り。<br />
<br />
「こんなの勝利って言えないよ――！」<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
『気は済んだか、娘』<br />
「&hellip;&hellip;ごめんなさい、ミドガルズオルム。我侭に付き合って貰っちゃって」<br />
<br />
<br />
<br />
いつの間にか黄昏の雲は日の陰りと共に、薄闇を孕み柔らかな藍色となっていた。<br />
静かな静かな雲海に、竜の羽ばたきの音だけが響く。<br />
<br />
<br />
<br />
「&hellip;&hellip;勝ったんだ。勝ち得たものは、あったんだ。そう思わないと、ちょっと辛過ぎるね。<br />
　その勝ち得たものを無駄にしない為にも私達は、進まなきゃね&hellip;&hellip;」<br />
<br />
<br />
]]>
    </description>
    <category>Other Character</category>
    <link>http://balladofmagi.side-story.net/other%20character/%E6%97%85%E8%B7%AF%E3%81%AE%E7%B5%82%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%81%AB%E3%80%82-%E6%9C%AA%E5%AE%8C-</link>
    <pubDate>Sun, 26 Jul 2015 16:15:47 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>蒼天の旅路</title>
    <description>
    <![CDATA[台詞のみ小ネタ。<br />
<br />
<br />
<br />
「イゼル」<br />
「いーぜーる」<br />
「いーぜーる－！何フリーズしてるのー！」<br />
「いぜう！でこぴんすっぞ(｀・&omega;・&acute;)」<br />
<br />
「ど、どうするかね。彼女、イゼルが動くまで動かなさそうだが」<br />
「もう置いてかない？リンクパールあるし気付いたら追ってくるわ」<br />
「&hellip;&hellip;やれやれ、甘ったれなやつめ」<br />
<br />
アンフェル、心折れたイゼルにつきっきりの巻。<br />
<br />
<br />
<br />
「&hellip;&hellip;食材持ち込むんだったわ」<br />
「君が色々持ち込んだら、君の独断場になってしまうではないか」<br />
「まあ、イゼルのシチューは美味しかったですけど。新鮮だったし」<br />
<br />
「御前達は料理はしないのか」<br />
「するんだけど、何時も３人だとアルトちゃんが全部やっちゃうから」<br />
「意外と自己主張するんだねアルトも」<br />
「あ、アルフィノ様。これは適材適所というやつですわ？それにウェントにやらせたら&hellip;&hellip;」<br />
<br />
「ワイルドだったのー、そういえば」<br />
「み、皆まで言うな&hellip;&hellip;」<br />
<br />
<br />
ウェントちゃんは手の凝った料理は苦手。<br />
<br />
<br />
「まさかドラゴンさんに乗って空を飛ぶ日がくるなんて&hellip;&hellip;」<br />
「アンフェルの懐柔の手際には恐れ入るわ」<br />
「アルトのそのアーリマンの訓練も大変だったろうに」<br />
「一応はそれなりに名も力もある妖異ですから、それよりウェントはグリフォンを捕らえて飼い慣らしたんでしょう？」<br />
「クァールといい、流石狩人だよね&hellip;&hellip;わたしには無理なのー」<br />
「こんなに聞き分けの良い大人のグリフォンなんて普通いないよ。運が良かったのさ」<br />
<br />
<br />
フライングマウント三種三様。<br />
アーリマンは願望です。<br />
<br />
<br />
「代理闘士&hellip;&hellip;」<br />
「代理と言うからには、請け負えるのは一人だろう。誰が行く？」<br />
「&hellip;&hellip;代理闘士かあ」<br />
<br />
「ならパーティーリーダーとして私が」<br />
「望まないのであれば剣の心得もあるから私が行こう」<br />
「わ、わたし行くよ。わたしだってやるときはやるもの」<br />
<br />
「か、被ったのだわ&hellip;&hellip;」<br />
「むう、結局誰が行く&hellip;&hellip;？」<br />
「ど、どうしよ&hellip;&hellip;？」<br />
<br />
きみたち。<br />
駝鳥倶楽部はよすんだ。]]>
    </description>
    <category>複数人</category>
    <link>http://balladofmagi.side-story.net/multiple/%E8%92%BC%E5%A4%A9%E3%81%AE%E6%97%85%E8%B7%AF</link>
    <pubDate>Tue, 21 Jul 2015 07:49:51 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">balladofmagi.side-story.net://entry/54</guid>
  </item>
    <item>
    <title>少女が、道士であればこそ　1/3</title>
    <description>
    <![CDATA[基本的な話である。<br />
グリダニアの軍隊は幾つかに別れている。その内主要なものが、国外に向けた対応を主とする神勇隊と国内の憂いに向けた対応を主とする鬼哭隊のふたつである。<br />
そして国内の憂いとはすなわち治安維持。<br />
貴人の護衛も仕事のうちである。もっとも、顔を出さねばならぬ場などにおいては神勇隊が代役を担うこともある。<br />
<br />
グリダニアにおいて、まず一番護衛の機会が多いであろう存在と言えば。その経験こそ信頼と実力の証と言える相手がいる。<br />
<br />
精霊の声を聞くことが出来る高位の幻術士達、言わば道士と呼ばれる者達である。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
「全く、何処へお行かれになられたのだ&hellip;&hellip;」<br />
<br />
&nbsp; &nbsp;<br />
<br />
精霊評議会に名を連ねる程の道士となると、その名の重さは計り知れない。当然、本来見失って捜索せねばならぬ等という事は護衛失格と言っても過言ではない。しかして、この道士の護衛が道士を見失ったと報告してくるのは、何も一度や二度の事ではない。<br />
<br />
「私が護衛でなければすぐ逃げ出されて&hellip;&hellip;彼女に撒かれる護衛にも叱咤せねばならんが一度きついお灸が必要なのかもしれんな」<br />
<br />
<br />
私は鬼哭隊の、ル・ハイノ。<br />
そして問題の道士こそ。<br />
厄神乙女、アンフェルツィート。<br />
精霊の声を聞くことの出来ない、一介の冒険者からシェーダーでありながらも道士となったエレゼンの女性である。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
&nbsp; &nbsp;<br />
<br />
<br />
しかしながら、困ったものである。<br />
部外者から、偶然によって白魔道士となり、角尊でもない彼女を出来る限り特例にしない為、彼女は望まれて道士となった。<br />
囲い込みと言っても良いのかもしれない、だからか彼女は彼女自身が道士であるということを度々軽んじる。今だって、自分が出席しようが欠席しようが大差ないと考えていることだろう。<br />
<br />
<br />
彼女が、特異な人間であるということは私も良く知っている。しかしながら、このような軽視が度々他人を振り回し困らせていることをいい加減気付いて貰うべきなのだろう。<br />
<br />
「やれやれ、どうしたものかな」<br />
<br />
<br />
今の私には別の任務も入っていてとてもじゃないが彼女の捜索に割ける時間が無いのだが。<br />
一方で、並の隊員であれば召喚術と幻術を操り、撒いてしまうのが彼女でもある。<br />
<br />
どうしたものか。<br />
そう思う私の目の前を、見慣れた尻尾が横切った。<br />
その尻尾の持ち主に予測がいき、私の心は綻ぶ。<br />
そうだ、こいつは適任ではないか。<br />
私はその尻尾に声を投げかける。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
「&hellip;&hellip;カスリ！少し良いか」<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
『少女が、道士であればこそ』<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
「道士の捜索！？」<br />
<br />
グリダニア新市街、カーラインカフェ。<br />
その片隅で驚きと焦りの混ざったような声が上がっていた。<br />
慌てて声の主を制する姿も見える。周囲のざわつきが、内容が確かにただ事でないことを証明している。<br />
<br />
「ちょ、ちょっと落ち着いてください」<br />
「いや落ち着くのは良いのだけれども&hellip;&hellip;カスリ、これ本当に&ldquo;ちょっと頼みたいこと&rdquo;なの？」<br />
<br />
「う、うん」<br />
<br />
<br />
<br />
この場の誰もが、道士というものがどんな存在か分からないなんてことは無い。其れが如何にこの都市を運営していくにおいて、どれだけ大事な存在かも。<br />
<br />
<br />
<br />
「今夜の精霊評議会に出席予定の道士が、護衛を振り切って外遊中なので探して欲しい。って&hellip;&hellip;振り切って？」<br />
「うん。ハイノがそういってたから間違いないみたい」<br />
<br />
<br />
こんな昼間からカーラインにいる面々の一部は常連というものである。その一部には、ハイノという名前で既に察しがついたらしい。声の主のテーブルを除いて、緊張した雰囲気は壊れきっていた。<br />
<br />
<br />
<br />
「それってどういう&hellip;&hellip;」<br />
「失礼、双蛇党の方々。その道士なのだけれど&hellip;&hellip;若しかしてアンフェルくんかい？」<br />
<br />
<br />
テーブルに差し入れのスープを片手に、声をかけたのはカーラインカフェのマスターだ。肯定するミコッテの隊員に、彼女ミューヌはやれやれと溜め息をついて隊長のエレゼンに答えた。<br />
<br />
「アンフェルくんは冒険者でね&hellip;&hellip;道士の仕事を、特に精霊評議会をサボるためによくこうなるんだ&hellip;&hellip;」<br />
「さ、サボ&hellip;&hellip;」<br />
「道士様ともあろうものがさぼ&hellip;&hellip;」<br />
「ハイノの上司って&hellip;&hellip;」<br />
<br />
「冒険者ギルドにも登録している身だから、迷惑を考えてそう遠くには出てないだろう。申し訳ないが、頼めるかい？」<br />
<br />
冒険者ギルドに所属している冒険者は、交流の利便性の為ある程度の居場所を冒険者ギルドに教えるよう設定することが出来る。其れを冒険者ギルドを通じて検索出来るようにしていたり、ギルド運営のパーティ募集掲示板に提供されていたりする。<br />
出来ることの多さに、拒否するのは稀な程だ。<br />
<br />
<br />
「今彼女は中央森林にいるだろう。広いから大変だとは思うけれど&hellip;&hellip;」<br />
「いえ、此方の不手際で何時もすみません&hellip;&hellip;」<br />
<br />
<br />
元とは言えば護衛が撒かれなければよいという話でもあるし、道士がサボタージュしようとしなければよいという話でもある。<br />
エレゼンの隊員&hellip;&hellip;レアヌと、ミューヌは、何だか互いに申し訳ないような気まずいような、そんな顔を見合わせるのであった。]]>
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    <category>Unverziert</category>
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    <pubDate>Mon, 25 May 2015 23:53:00 GMT</pubDate>
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