忍者ブログ
作中の『カミサマ』とは、Articolato Rosatraum Waentbryda Sterwilfin White Mithra Oblige Saccade のプレイヤーのこと。  
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

聖アダマ・ランダマ教会には、身寄りのない者達の墓が多い。死した冒険者が得るものが墓石だけとよく言われるのは、冒険者の出自や縁者が殆どの場合分からないまま終わることが多いからであるかもしれない。

今の私達であると、もしかしたら縁者を騙る者もあるやもしれないが……

「今度こそ、誰にも妨げられる事なく安らかに眠ってくれ」

レイヨが逃げるように去ってしまい、私達は動く力を失った一人の女性の遺体をそっと棺に収めてこの場に戻ってきた。私が彼女を墓石の下に用意された石棺に輸送用の木棺ごと横たえると、四人がかりで石棺の蓋を閉じた。

未だ、墓石は壊されたまま。
また相応しい石を探しておいてやろう。恐らく、私達による二度目の死も、痛く恐ろしいものであっただろうから、せめてその詫びに。


「おやすみなさい、リアヴィヌ」

四人の中で一番関係の深かったであろう、アルトが立て膝をつき、祈りを捧げた。神官にもみえる彼女の学者の装いは、ことこの場においては神聖なものに見えた。

「にしても、またヴォイドなんだ」
「力求める者の影にヴォイドあり、とも言えるのよユイ。彼らは何時も、弱い者の心の闇を狙ってる」


呆れるようなユイの呟きに、アルトは心底憎たらしいといった風に吐き捨てた。彼女がヴォイド嫌いなのは今に始まった事ではないし、タムタラのエッダに対する態度も相当辛辣なものだった。

それは、彼女の学者としての、そして何より黒魔としての、経験が生んだ嫌悪感であったのだろう。だが、ふと気付いた事がある。

彼女は移動の足にアーリマンを使っている。ヴォイドの妖異であると分かりながら、何故彼女はそのアーリマンを好んで乗るのか。アーリマンの方もヴォイドを嫌悪する彼女に、どうして、どうやってなついたのか。
解散の折、ユニコーンを呼ぶユイ、ボム達を呼ぶアンフェルに続き、何時ものアーリマンを呼び出した彼女に、それとなく問い掛けた。

よじ登る為に羽根に手をかけたまま振り返る彼女の他に、名を上げられた事に気付いたのであろう、アーリマンの大きな一つ目が此方を見た。

「あー、うん。それはね……」


アルトがアーリマンの背を撫でる。アーリマンが幸せそうに目を細めてそれを受け入れている。

「こいつは酔狂な、わたくしの命の恩人なのよ」
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
虚向風音
性別:
非公開
P R
忍者ブログ [PR]