作中の『カミサマ』とは、Articolato Rosatraum Waentbryda Sterwilfin White Mithra Oblige Saccade のプレイヤーのこと。
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確りとした止めを刺さなかったからか。最後に頭を打ったからか。生前をあまりにも求められたが為に、魂まで黄泉返っていた為か。
「本当に、貴女リアヴィヌなの?」
「生憎ね。……久しぶりね、四人とも」
思えば、彼女は古い友のようなものであったな、とふと思い出す。止まっていた彼女の時間と、動き続けていた私達の時間の溝。
私に抱き締められている状況に大した驚きも見せないで、身構えたままのウェントを、不安がるアンフェルを、訝しそうに見上げるユイを、彼女は見やった。
「ユイ、何だか大人びた?」
「其処のお姉ちゃんが見てられないだけです」
「ああ、冒険中のこいつは知らなかったものね」
あの頃は、未だ。腕の中に大事にしまっていた養い子のユイ。
「ウェント、貴女ナイトになったのね」
「守りたいものが出来たからさ、でなくてはこんな危険に身は晒すまい」
「……そうね、彼もあっという間のことだった」
ウェントは彼女に出会った頃、初めて弓を取った。弓術士としては、彼女が先輩であったとも言えた。
「貴女も冒険者だったのね、意外だわ……アンフェル」
「かつての私はどんな人だったのですか?」
「え?……そうね。タムタラに行く前、貴女に祈って貰ったのよ。私は覚えているわ、見ず知らずの私に貴女が真剣だったこと」
其処にいたのは、アンフェルではないアンフェル。静かにグリダニアの地で祈りを捧げていたらしい、幻術士のアンフェルは、昔から本質は変わっていないのかもしれない。
三種三様の会話。空白を埋めるようなやり取りを、彼女はとても楽しそうにした。幸せそうに、目を細める彼女の青く血の気のない唇だけが、彼女が死者であることを思い出させる。
「アルト、大きくなった気がするわ」
彼女の時間は、終わったまま。新たに時砂が足されることはない。
「エレゼンの容姿なんて、数年でも大して変わらないわよ」
「そうなんだけど。自棄酒に付き合ってくれたあの頃は、もっと……。ううん、大人になったのね、って」
かつて、同じ砂の家に集っていた。
ただ、何も考えないで下働きをするのが全てであった彼女と、あの頃は何度も酒に酔った。
彼女は、忘れたくて。私は、なりたての大人の楽しみに酔いたくて。
いつもどちらかがつぶれるまで飲んで、気がついたらへんてこな事になっていたこともあった。
「……私はあの頃のままなのね」
彼女の顔が、曇る。
目を伏せても、涙は流れる事はない。抱き締めるわたくしに、身体をよせて、生温い体温が残酷な迄にひんやりと冷たく感じた。
「リアヴィヌ」
「眠るべきだと思う?貴女達なら、痛くないようにやってくれるのかもしれないけど」
此処にいる彼女は死んでいる。
けれども、今この状況を説明するなら、死に損ねたというのが正しいのかもしれない。魔物になって、理を外れて、本来彼女は、彼女として目を覚ますには色々と足りなかった筈だった。
エッダは、彼女に、身体も魂も求めた。だから、彼女の身体には、何らかの手段で無理矢理に喚び戻された彼女の魂が収められていた。だから、その身体で目を覚ましてしまったのかもしれない。
不幸な、ことに。
「死ぬのが怖いの、あの、何もかもが今度こそ私の手から離れていく感覚が」
わたくしの体温を分けて貰おうとでもするかのように。熱を持たない彼女は、わたくしにすがった。
すがるほか、なかったのでしょう。
***
取り敢えず、「死に損ねたらどうする?」としては此処でおちておきます。救いがなさそうなタイミングで。
「本当に、貴女リアヴィヌなの?」
「生憎ね。……久しぶりね、四人とも」
思えば、彼女は古い友のようなものであったな、とふと思い出す。止まっていた彼女の時間と、動き続けていた私達の時間の溝。
私に抱き締められている状況に大した驚きも見せないで、身構えたままのウェントを、不安がるアンフェルを、訝しそうに見上げるユイを、彼女は見やった。
「ユイ、何だか大人びた?」
「其処のお姉ちゃんが見てられないだけです」
「ああ、冒険中のこいつは知らなかったものね」
あの頃は、未だ。腕の中に大事にしまっていた養い子のユイ。
「ウェント、貴女ナイトになったのね」
「守りたいものが出来たからさ、でなくてはこんな危険に身は晒すまい」
「……そうね、彼もあっという間のことだった」
ウェントは彼女に出会った頃、初めて弓を取った。弓術士としては、彼女が先輩であったとも言えた。
「貴女も冒険者だったのね、意外だわ……アンフェル」
「かつての私はどんな人だったのですか?」
「え?……そうね。タムタラに行く前、貴女に祈って貰ったのよ。私は覚えているわ、見ず知らずの私に貴女が真剣だったこと」
其処にいたのは、アンフェルではないアンフェル。静かにグリダニアの地で祈りを捧げていたらしい、幻術士のアンフェルは、昔から本質は変わっていないのかもしれない。
三種三様の会話。空白を埋めるようなやり取りを、彼女はとても楽しそうにした。幸せそうに、目を細める彼女の青く血の気のない唇だけが、彼女が死者であることを思い出させる。
「アルト、大きくなった気がするわ」
彼女の時間は、終わったまま。新たに時砂が足されることはない。
「エレゼンの容姿なんて、数年でも大して変わらないわよ」
「そうなんだけど。自棄酒に付き合ってくれたあの頃は、もっと……。ううん、大人になったのね、って」
かつて、同じ砂の家に集っていた。
ただ、何も考えないで下働きをするのが全てであった彼女と、あの頃は何度も酒に酔った。
彼女は、忘れたくて。私は、なりたての大人の楽しみに酔いたくて。
いつもどちらかがつぶれるまで飲んで、気がついたらへんてこな事になっていたこともあった。
「……私はあの頃のままなのね」
彼女の顔が、曇る。
目を伏せても、涙は流れる事はない。抱き締めるわたくしに、身体をよせて、生温い体温が残酷な迄にひんやりと冷たく感じた。
「リアヴィヌ」
「眠るべきだと思う?貴女達なら、痛くないようにやってくれるのかもしれないけど」
此処にいる彼女は死んでいる。
けれども、今この状況を説明するなら、死に損ねたというのが正しいのかもしれない。魔物になって、理を外れて、本来彼女は、彼女として目を覚ますには色々と足りなかった筈だった。
エッダは、彼女に、身体も魂も求めた。だから、彼女の身体には、何らかの手段で無理矢理に喚び戻された彼女の魂が収められていた。だから、その身体で目を覚ましてしまったのかもしれない。
不幸な、ことに。
「死ぬのが怖いの、あの、何もかもが今度こそ私の手から離れていく感覚が」
わたくしの体温を分けて貰おうとでもするかのように。熱を持たない彼女は、わたくしにすがった。
すがるほか、なかったのでしょう。
***
取り敢えず、「死に損ねたらどうする?」としては此処でおちておきます。救いがなさそうなタイミングで。
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