忍者ブログ
作中の『カミサマ』とは、Articolato Rosatraum Waentbryda Sterwilfin White Mithra Oblige Saccade のプレイヤーのこと。  
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ある地に、一人のミコッテがおりました。ミコッテは、サンクレッドに憧れるヒューランの男性に誘われて冒険者を始めました。
有名人のミコッテのお姉さんが、駆け出しの彼女のためにベストショットを撮ってくれました。ヒューランの男性が紹介した、リンクシェルのマスターのララフェルとその御付きのヒューランの女性は暖かく、そして優しく歓迎してくれました。

ミコッテの少女は、杖を手に取りました。ヒューランの男性が剣を手にしており、また少女は男性を好きでいたからです。
ヒューランの男性に筋が良いと褒められて、彼女は浮かれました。
彼の好きな庵で話し込み、その庵の写真を今でも大事にしています。


しかし、ミコッテの少女は何時も冒険には一人で申請していました。まわりにいるのは、少女にとって先輩ばかり……ですから、ミコッテの少女と、『ある意思体』は悩みました。同じ道を駆け抜ける友も欲しいね、と……。




『ある意思体』は異なる平行世界に行くことにしました。其処には『意思体』を知るもの達が、共に一から冒険に出ることが確約されていたからです。ミコッテの少女と『意思体』が冒険する時間は減りましたが、少女にとっては些細な事でもありました。『意思体』はミコッテの少女にも冒険の記憶を与えていたから、他人の冒険であっても少女には夢のような日々であったのです。


ヒューランの男性が、それを咎めるまでは。



ヒューランの男性は望みました。この世界と、自分達と、この集団に専心することを。異なる世界で、彼女と『意思体』が冒険していることをよく思わなかったのです。
でも、既に其処には戦友がいました。少女と、『意思体』と、共に駆け上がろうとしている仲間達が。少女はそれらを捨てられなくて。





















「……結果愛する人を失いました、と」


力と富が支配する地、ウルダハ。
その噴水で人目を気にしながら髪を濡らすのは、蒼い髪のミコッテのわたし。
仲直りの出来ない処か、歩み寄る事すら互いに出来ない彼とわたし。マスターは取り成そうとしてくれたけれど、次第に言葉を交わそうという気持ちさえ失ってしまった。
其処に残っていたのは、途方もない諦めの気持ち。やがて、『奇妙な隣人』も来なくなって、冒険者としても行き詰まる。
わたしは決して強い訳じゃない。『隣人』と二人だから、簡単には出来ない事もやってのけ、危機でも冷静にいられただけ。


「やれやれ、ね……見られたら大事かも」


お金も尽きて、わたしは噴水の水に今度は裸体を触れさせる。脱ぎ捨てた一枚のローブの臭いから逃れるように。腐っても女の身、贅沢を知った冒険者。醜態を晒したくなかった。例え見てくれだけであっても。

寒い、寒い夜の闇の中。こっそりと身体を清めるのは、これが初めてではない。
冒険者として行き詰まり、旅先で得ていた旧硬貨を売り、自炊も出来ず、外食と弁当に頼り。




破れて着れない、ハーフローブの袖で身体を拭って……空を見上げる。
星の光が降り注ぐ、曇りない夜空。

「やり直したいよ」















幾つの時が過ぎただろう。
わたしの元に、一匹のモーグリが現れた。

『この手紙と、この薬を届けてほしいって言われたクポ』

レターモーグリではない。そのモーグリは、開けて見れば分かるとそれだけ言って去っていった。
薬はエリクサーのような瓶に、輝く蒼い液体。添えられていた手紙に手を伸ばし、月明かりに翳して読んだ。


『******へ
生きているかな。元気にしているかな。あれから君は、どうしているかい。わたしは君が隣人と呼んでくれていたものだよ。
いなくなって、ごめんね。きみといるのが、辛くなった。きみと、二人、あの人に失望されたままの時間が辛くなっていたんだ。
わたしは君を助けたい。きみを壊したのもわたしなのかもしれないから。
きみにひとつの薬を贈ろうと思う。薬の名は幻想薬。この薬を飲んでくれるなら、わたしは君を新しい世界に誘おうと思う。其処にはあの子もいる。あの子の友達も、君を歓迎してくれるだろう。そうしたら、また君と戦おう。あの地で。待っているよ。
飲んだらきみをすぐにでも迎えにいく。きみの位置はわかるから、安心して。

ただし……』


最後まで読まなかった。
軽率な、けれど、不確かなものにもすがりたかったわたしは震える手で瓶の蓋を開けた。
輝く蒼い液体を傾ける。かさかさの唇の上を滑って、それはわたしの喉へと入っていった。
味ははっきりとしなかった、ただただ、この世とは思えない心地がした。
最後の一滴が瓶から消えて、瓶に視線を戻した時――


「う、にゃ、ぁ……あ……!?」


からん、と瓶の落ちる音がした。耳と尻尾がぴんと伸びて、身体がかっと熱くなる。水浴びの後のまま、何も身に纏っていなかった身に当たる風が凶器に変わったのを感じた。
身体の震えが止まらない。それは、苦痛からでも寒さからでもない。熱く、熱く、そして……


「ぁああ……!!」


真っ白になるほどの気持ちよさが、わたしの思考を襲っていた。そのまま意識はぷつりと糸が切れるように落ちて……


『ただし、きみは名前と姿を失うことになるだろう。心配しないで、きみもまた、幸せにいきる為なのだから』



それが、ミコッテであったわたしの最後の記憶だった。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
虚向風音
性別:
非公開
P R
忍者ブログ [PR]