作中の『カミサマ』とは、Articolato Rosatraum Waentbryda Sterwilfin White Mithra Oblige Saccade のプレイヤーのこと。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
白い獣が一匹、北部森林の境樹の傍らでゆっくりと草を食んでいた。
エオルゼアには珍しい、馬の一種であるように見えるその獣の額には、美しい渦を巻いた一本の角が備わっていた。
その生き物はユニコーンであった。
草を食む、ユニコーンの傍らに、草笛を吹く小さな白い獣がいた。
丸く柔らかな白い身体と、短い四肢。特筆すべきは、その頭の赤いアンテナのようなぼんぼんだ。
その生き物は万人に見えるものではない。その生き物はモーグリと呼ばれる種であった。
二匹が木陰の緩やかな時間を享受する昼下がり、二匹には聞き慣れたオカリナの旋律が響く。
モーグリがふわり、小さな羽根を揺らしながら浮かび上がった。二度、三度、ぼんぼんを黄色に点滅させると、ユニコーンは小さく頷く。
モーグリは息を吸い込む素振りを見せる。不思議な浮遊音と共に、モーグリはふわりと宙へ浮き、そのまま南へと飛び去っていった。
グリダニア、旧市街に向けて。
オカリナから口を離す、一人のミコッテ。木製のハーフマスクを付けている彼女は、鬼哭隊の一員であることを示している。
傷まみれの槍を背負い、黄蛇門に背中を預ける、小柄な少女であるようだ。
何かを待つように、少女は腕組みをする。やがて、現れたのは一匹のモーグリ。
「首尾は」
ミコッテはただそれだけモーグリに尋ねた。心得たように、頷いて雰囲気付けのように小さな声で囁き始めた。
「……そうか」
信じがたい。
私が最初に抱いた感想は、実にそれであった。
このグリダニアの都市は、精霊の信託によって国是が決定され、精霊評議会、更に幻術士ギルドを介してその決定が伝達される。
何処から来たかも分からない、一人の根暗なシェーダーが、その幻術士ギルドから急に名を上げ、秘術であった白魔法を会得したのはいつのことであっただろう。
精霊に愛されていたのか。根暗娘は角尊でないにも関わらず、ヒューランでないにも関わらず、幻術を、白魔法をマスターしていった。
今も彼女は、精霊評議会の末席を預かる、ひとりの神官として役目を果たしている。
褐色肌に、灰銀の髪を靡かせて、彼女は異人の女神のようだ。かつて根暗で密やかに慎ましやかに生きていた姿は影を潜め、健気にいとおしそうに他者を愛する献身さもまた、彼女の評判を上げている。
根暗であった彼女を知らぬ者も多い。彼女は今の彼女になってから、表舞台に姿を見せるようにもなったのだ。
だが、そんな人も姿も良い彼女に……ひとつの噂が流れていた。
彼女は別人だ、という。
結論から言えば……それが正しかったのだ。
エオルゼアには珍しい、馬の一種であるように見えるその獣の額には、美しい渦を巻いた一本の角が備わっていた。
その生き物はユニコーンであった。
草を食む、ユニコーンの傍らに、草笛を吹く小さな白い獣がいた。
丸く柔らかな白い身体と、短い四肢。特筆すべきは、その頭の赤いアンテナのようなぼんぼんだ。
その生き物は万人に見えるものではない。その生き物はモーグリと呼ばれる種であった。
二匹が木陰の緩やかな時間を享受する昼下がり、二匹には聞き慣れたオカリナの旋律が響く。
モーグリがふわり、小さな羽根を揺らしながら浮かび上がった。二度、三度、ぼんぼんを黄色に点滅させると、ユニコーンは小さく頷く。
モーグリは息を吸い込む素振りを見せる。不思議な浮遊音と共に、モーグリはふわりと宙へ浮き、そのまま南へと飛び去っていった。
グリダニア、旧市街に向けて。
オカリナから口を離す、一人のミコッテ。木製のハーフマスクを付けている彼女は、鬼哭隊の一員であることを示している。
傷まみれの槍を背負い、黄蛇門に背中を預ける、小柄な少女であるようだ。
何かを待つように、少女は腕組みをする。やがて、現れたのは一匹のモーグリ。
「首尾は」
ミコッテはただそれだけモーグリに尋ねた。心得たように、頷いて雰囲気付けのように小さな声で囁き始めた。
「……そうか」
信じがたい。
私が最初に抱いた感想は、実にそれであった。
このグリダニアの都市は、精霊の信託によって国是が決定され、精霊評議会、更に幻術士ギルドを介してその決定が伝達される。
何処から来たかも分からない、一人の根暗なシェーダーが、その幻術士ギルドから急に名を上げ、秘術であった白魔法を会得したのはいつのことであっただろう。
精霊に愛されていたのか。根暗娘は角尊でないにも関わらず、ヒューランでないにも関わらず、幻術を、白魔法をマスターしていった。
今も彼女は、精霊評議会の末席を預かる、ひとりの神官として役目を果たしている。
褐色肌に、灰銀の髪を靡かせて、彼女は異人の女神のようだ。かつて根暗で密やかに慎ましやかに生きていた姿は影を潜め、健気にいとおしそうに他者を愛する献身さもまた、彼女の評判を上げている。
根暗であった彼女を知らぬ者も多い。彼女は今の彼女になってから、表舞台に姿を見せるようにもなったのだ。
だが、そんな人も姿も良い彼女に……ひとつの噂が流れていた。
彼女は別人だ、という。
結論から言えば……それが正しかったのだ。
PR
この記事にコメントする
プロフィール
HN:
虚向風音
性別:
非公開
P R