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作中の『カミサマ』とは、Articolato Rosatraum Waentbryda Sterwilfin White Mithra Oblige Saccade のプレイヤーのこと。  
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コスタ・デル・ソル。
東ラノシア、ブラッドショアの開拓地であったこの地は、買い取ったゲゲルジュの手によってリゾート地に生まれ変わった土地なの。
ゲゲルジュ氏とは恩もあり、貸し借りもあり、わたくしにとっては良き理解者。

それには彼の地で働く高名な調理人の存在や、彼自身がわたくしの抱える性問題に理解があるなど、理由は多方面に渡る。もっとも、わたくしは好んで性癖を明かしたのではなく……クラフターの納品物を届けた際、踊り子に性的に食われそうになった、というか……実際食われたというか……


こほん、何はともあれ、話のつけやすい権力者であった事は紛れもない事実でして。


「デートって、急ね?」
「急でなくてはならなかった、かしらね。どちらかと申しますと」

満天の星空。
離れていく、リムサのエーテライト。
密やかにラノシアの海を渡るこの小舟には、あまり設備がないけれども……だからこそ星が美しい。

「でも、ロマンチックだと思いません?愛の逃避行……なんて舞台も」


船頭が渡してきたひとつの毛布に、二人でくるまって。なんだか恋人のようだわ。直ぐそこにサシャの顔があって、特別リップの塗られていない、自然な赤みの唇があって、其処に重ねてみたい……なんて邪を、わたくしはそっと脇に除けた。


「ふふっ、言われるとそうね♪アルティはロマンチストだなー」

サシャはそう笑ってわたくしに抱き付いてきて、邪を払った矢先の筈だったわたくしは顔を赤らめたまま暫し固まるしか出来ないのでした。













コスタ・デル・ソルには夜が終わる頃の到着でした。海が綺麗に見えるテントの一室をお借りして、昼頃まではのんびりと休息。設備の事もあるし、何より意識しっぱなしだった事もあって、夜逃げの舟では眠るなんて出来なかったもの!

先にサシャには休んで貰って、わたくしはこのコスタの主のもとへ。







「昼頃に出る大型漁船はあるかしら」
「それなら――号ぢゃろうな」


挨拶、というのもあるけれどもメインは今後の予定伺いです。テントの一室、子猫ちゃんに囲まれている彼の隣で問うのは船のスケジュール。

最近はじまったという、大型漁船に乗っての漁体験。主に冒険者の漁師の為、とも言われているけれどもコスタの海の良さに参加者は何も漁師に限らない。


「それなら、わたくしそちらに乗りますので、追手がかかっていたら言ってくださいまし。"わたくしのデートを邪魔しないでくださりません?"と」


わたくしがビスマルクにいないと分かれば、探せそうな範囲は当たってくるでしょう、その真っ最中であろう日中に、連れ出される事のない海の上へと逃げるのです。
拒絶の言葉をこの地の主に託し、わたくしは自然と笑みがこぼれます。


「お主も全く好きよのう」
「なあに、好き者はお互い様ではありませんか」

顔を見合わせてしまえば、それはこぼれる、程度にすみませんでした。

「ふふっ」
「ほっほっほっ」


立場も地位も大違い。
ですが、何となくこの方の傍らは気が楽になるのでした。繕う事もないからかもしれません。
わたくしも彼も変わり者です。普段は要らぬ謗りを避けて、発露を控えているだけのこと。

「まあ、漁果がありましたらディナーくらいは腕を振るいますから、それでお見逃しくださいな♪」
「ほう。折角の機会食いっぱぐれる訳にはいかんのう」


謝礼を約し、また顔を見合わせて笑い、そしてわたくしは一礼の後わたくしとサシャに宛がわれたテントへと引き下がりました。未だ日も上がらぬ夜明け前。

そっと、サシャの休む布団の中へ潜り込むとミコッテ特有の僅かな獣臭が、今はわたくしのこころを満たすのでした。

今日はわたくしはサシャのもので、サシャはわたくしのものなのだ、なんて。
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