作中の『カミサマ』とは、Articolato Rosatraum Waentbryda Sterwilfin White Mithra Oblige Saccade のプレイヤーのこと。
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「なあ、私には似合っていないのではないか?服に着られてはいないだろうか」
「そんなことはないよ、とてもよく似合っている」
口では否定を述べながら、自分でさえ似合っていないとはとてもじゃないが思いづらい、思いがけない私自身の姿に目眩がした。
最近新しく関わるようになったエレゼンの女性、アンフェルツィートが事あるごとに「自分が自分でないようだ」と訴えていた時期があった。
今の私の気持ちは、恐らくそれに近い。
助けて貰えないどころか、笑顔で見送られて奥へと引っ込まされた私は、ロアユ闘将の手によって着替えさせられる事となった。男物のスーツを脱がされ、さらしも外される。自由になった胸にブラジャーを付けさせられ、その上にドレスを着た。
深い青の生地が、波のような模様を作っている。織り込まれた銀のラメの輝きは、夜の海に弾ける小さな波が生み出す光のよう。
胸部から上がないビスチェと呼ばれるデザインは、鍛えられた身体の確かな線を残す鎖骨を色っぽく強調しているかのようだ。
一方で筋肉の線が出て無骨に写りがちな両の腕は、肘よりやや上まであるなだらかな線を持つ長いドレスグローブに覆われ、冒険者の腕には思いづらい女性の腕が目に映る。
スカートはぎりぎり靴が見えるか見えないかといった丈のAラインスカートであった。腕同様、ルガディン族の逞しい四肢を綺麗に隠しながら、なだらかに豊かに広がるスカートは、上半身を相対的に細身に見せている気がしてくる。
私の為に誂えられたといっていい、一品物のドレス。慣れないハイヒールに、歩くのも不安になりただ視線だけをさ迷わせる。
「私も似合っておると思うぞ」
「お褒めに預かり、光栄に御座います。しかし、ラウバーン様、よもや土産とは……」
先程の呟きに、ナナモ様が反応した事に驚くがこの服では跪く事が出来ないではないか!狼狽える私に満足そうな笑顔を返すナナモ様と、力強く頷くラウバーンに、私は恥ずかしさからよろけそうになり闘将に支えられる羽目になったのであった。
「ウルダハの宝であるお前への礼もそうなのだが、こういう社会に慣れていないであろうお前に、事前に触れておいて貰った方が良さそうだろうと考えたことがあってね」
結局、ハイヒールで長時間立つのは不慣れな私には酷だろうと用意された椅子に座りジェンリンスの話す種明かしと本来の目的に耳を傾ける。
私がドレスを持っていないであろう事はかなり可能性の高いこととして憂慮しており、その件を招待にあたって心配事として伝えた処、ロアユ闘将とナナモ様が乗り気になってこのドレスを手配したのだという。
しかし、慣れるべき事柄とは何だろうか。考え込む私に、アーサーは屈み込んで手を差し伸べた。ふと意識をやり、彼を見上げるのだが、よくよく見れば彼もまた正装といえるスーツ姿だ。
差し伸べられた手を取ると、殆どアーサーに引き寄せられるかのようにあっさり椅子から立ち上がる事が出来た。この靴だから踏ん張り難いし、立ち上がるのは楽ではないと思っていたのに。
「ウェント、聞くけれど……社交ダンスを女性の側で踊った経験はあるかい?」
「社交ダンス!?」
反対側の手に、アーサーの反対側の手が重ねられる。余りにも近い異性の姿にどきっとさせられるが、それどころではない。
「大丈夫、其れならばゆっくり慣れていこうか。エスコートするよ、ウェント」
余りの恥ずかしさに、なんだか気が遠くなる気がした。慌てたアーサーの心配の声が響く。少し考えれば、ただちょっと女性扱いを受けただけであったのだが……
社交界は大変なものであると、思わされるのであった。
============
本来のプロットより早いところでストーリーが切れてる悲しみ。
読了感謝。
「そんなことはないよ、とてもよく似合っている」
口では否定を述べながら、自分でさえ似合っていないとはとてもじゃないが思いづらい、思いがけない私自身の姿に目眩がした。
最近新しく関わるようになったエレゼンの女性、アンフェルツィートが事あるごとに「自分が自分でないようだ」と訴えていた時期があった。
今の私の気持ちは、恐らくそれに近い。
助けて貰えないどころか、笑顔で見送られて奥へと引っ込まされた私は、ロアユ闘将の手によって着替えさせられる事となった。男物のスーツを脱がされ、さらしも外される。自由になった胸にブラジャーを付けさせられ、その上にドレスを着た。
深い青の生地が、波のような模様を作っている。織り込まれた銀のラメの輝きは、夜の海に弾ける小さな波が生み出す光のよう。
胸部から上がないビスチェと呼ばれるデザインは、鍛えられた身体の確かな線を残す鎖骨を色っぽく強調しているかのようだ。
一方で筋肉の線が出て無骨に写りがちな両の腕は、肘よりやや上まであるなだらかな線を持つ長いドレスグローブに覆われ、冒険者の腕には思いづらい女性の腕が目に映る。
スカートはぎりぎり靴が見えるか見えないかといった丈のAラインスカートであった。腕同様、ルガディン族の逞しい四肢を綺麗に隠しながら、なだらかに豊かに広がるスカートは、上半身を相対的に細身に見せている気がしてくる。
私の為に誂えられたといっていい、一品物のドレス。慣れないハイヒールに、歩くのも不安になりただ視線だけをさ迷わせる。
「私も似合っておると思うぞ」
「お褒めに預かり、光栄に御座います。しかし、ラウバーン様、よもや土産とは……」
先程の呟きに、ナナモ様が反応した事に驚くがこの服では跪く事が出来ないではないか!狼狽える私に満足そうな笑顔を返すナナモ様と、力強く頷くラウバーンに、私は恥ずかしさからよろけそうになり闘将に支えられる羽目になったのであった。
「ウルダハの宝であるお前への礼もそうなのだが、こういう社会に慣れていないであろうお前に、事前に触れておいて貰った方が良さそうだろうと考えたことがあってね」
結局、ハイヒールで長時間立つのは不慣れな私には酷だろうと用意された椅子に座りジェンリンスの話す種明かしと本来の目的に耳を傾ける。
私がドレスを持っていないであろう事はかなり可能性の高いこととして憂慮しており、その件を招待にあたって心配事として伝えた処、ロアユ闘将とナナモ様が乗り気になってこのドレスを手配したのだという。
しかし、慣れるべき事柄とは何だろうか。考え込む私に、アーサーは屈み込んで手を差し伸べた。ふと意識をやり、彼を見上げるのだが、よくよく見れば彼もまた正装といえるスーツ姿だ。
差し伸べられた手を取ると、殆どアーサーに引き寄せられるかのようにあっさり椅子から立ち上がる事が出来た。この靴だから踏ん張り難いし、立ち上がるのは楽ではないと思っていたのに。
「ウェント、聞くけれど……社交ダンスを女性の側で踊った経験はあるかい?」
「社交ダンス!?」
反対側の手に、アーサーの反対側の手が重ねられる。余りにも近い異性の姿にどきっとさせられるが、それどころではない。
「大丈夫、其れならばゆっくり慣れていこうか。エスコートするよ、ウェント」
余りの恥ずかしさに、なんだか気が遠くなる気がした。慌てたアーサーの心配の声が響く。少し考えれば、ただちょっと女性扱いを受けただけであったのだが……
社交界は大変なものであると、思わされるのであった。
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本来のプロットより早いところでストーリーが切れてる悲しみ。
読了感謝。
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