作中の『カミサマ』とは、Articolato Rosatraum Waentbryda Sterwilfin White Mithra Oblige Saccade のプレイヤーのこと。
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どれくらいの間光の海に呑まれていたのだろう。
それだけで、このテレプールの転移が異常であることはわかる。
しかし、わかるのはそれだけで、目を開ける事も出来ない。身体は何一つ動かせない。
まるでフォトンの海に沈んでいく感覚に、死すらも覚悟する。
世間で英雄と喚ばれようが世界を救おうが。
当人の心はぼろぼろで、その末路もこんな有様で。
我が身のあまりの酷さに、心の中で狂った笑いが浮かんで消えた。
嗚呼いっそ次目が覚める時は、誰も私のことを知らなくたって──
──悪いものではないかもしれないなあ。
【いくさびとの休日 2/6】
黒衣森、中央森林。グリダニアを南に出てすぐに広がるこの地方は敵も少なく、危険も少ない。
森は密度が低く、ひらけていて見晴らしも良い。
市街の巡回の次、隊に宛がわれた任務はこの中央森林の哨戒であった。
バノック練兵場、グリーンティア択伐地、そしてベントブランチ牧場に挨拶をし、最後にエバーシェードに寄り長老の木の安全を確かめるのがこの哨戒の目的である。
今日、一行は既にベントブランチ牧場への挨拶も済ませ、最後の巡回地点へと向かうところであった。
「道中は特に異常なし、と」
小隊の長、レアヌ・カトリィは長老の木への一本道を見据えながら言葉を零した。
道中、いたずら好きのキキルン族や、好戦的なダイアマイトもおり、小さな戦闘こそあったものの、流石に正規の隊が困る相手ではない。
「後は、此処だけね」
大精霊の宿るという、長老の木。回りを泉に囲まれたこの大樹は、この黒衣森で一番大切な樹ともいえる。
しかしながら、精霊の樹であるためか、強い魔物が近付く事も少なく、レアヌ達も然程警戒する事無く樹のもとへと近付いていく。
ウルズに勝るとも劣らない、清涼な空気と微かな葉を揺らす風の音。
あまりの美しさに溜め息が出るような、光景。
「あれ?なにか、ううん、誰かいますよー?」
が、そこに異物があることに隊の一人、カスリは気が付く。
大樹のくすんだ茶色の幹に、一際映える金の髪。
真っ白なキャミソールのようなドレスワンピースを身に纏い、投げ出されている四肢はその先まで黒く長い艶のあるグローブとブーツに覆われている。
傍らには武器と思われるものも落ちている。
その姿形は銃のようであるが、その銃口の片側に刃も取り付けられている。
「手傷……は無いようですね。気を失っているだけのようです」
「隊長、これ変ですよ-。銃口みたいなものがあるのに、弾を入れる処が見当たらないですー」
「この子、何者なのかしら……」
精霊達は、この倒れている彼女を異物として見做している様子は無い。
それは例えばドライアドといった、精霊の影響下にある魔物達が彼女を襲う様子の無いことからも明らかで、レアヌは戸惑う。
ただ、この大樹の下が安全である保証がある訳でもなく、そもそも放っておけば彼女は野垂れ死ぬ可能性すらある。
「仕方ないわ、この子を本部へつれていきましょう。ジン、彼女の所持品と思われるものを拾い集めて。……触るのはいいけれど壊さないでよ、カスリ」
幹に身を預ける少女の背中と、投げ出された足の下に、それぞれ片腕を潜らせて抱き上げる。
カスリが何やら噴き出した気がするが、レアヌには何故か分からない。
隊員を促し、自らも歩き出す。
人気の無くなったエバーシェードに、小さな影が現れた。
黒ベースの体に、紫の目と耳をもつ、狐のような尻尾を持った宙を浮くネコのようなもの。
それは迷うこと無くこの場を去ったレアヌ達の後を追うようにエバーシェードを飛び出していった。
それだけで、このテレプールの転移が異常であることはわかる。
しかし、わかるのはそれだけで、目を開ける事も出来ない。身体は何一つ動かせない。
まるでフォトンの海に沈んでいく感覚に、死すらも覚悟する。
世間で英雄と喚ばれようが世界を救おうが。
当人の心はぼろぼろで、その末路もこんな有様で。
我が身のあまりの酷さに、心の中で狂った笑いが浮かんで消えた。
嗚呼いっそ次目が覚める時は、誰も私のことを知らなくたって──
──悪いものではないかもしれないなあ。
【いくさびとの休日 2/6】
黒衣森、中央森林。グリダニアを南に出てすぐに広がるこの地方は敵も少なく、危険も少ない。
森は密度が低く、ひらけていて見晴らしも良い。
市街の巡回の次、隊に宛がわれた任務はこの中央森林の哨戒であった。
バノック練兵場、グリーンティア択伐地、そしてベントブランチ牧場に挨拶をし、最後にエバーシェードに寄り長老の木の安全を確かめるのがこの哨戒の目的である。
今日、一行は既にベントブランチ牧場への挨拶も済ませ、最後の巡回地点へと向かうところであった。
「道中は特に異常なし、と」
小隊の長、レアヌ・カトリィは長老の木への一本道を見据えながら言葉を零した。
道中、いたずら好きのキキルン族や、好戦的なダイアマイトもおり、小さな戦闘こそあったものの、流石に正規の隊が困る相手ではない。
「後は、此処だけね」
大精霊の宿るという、長老の木。回りを泉に囲まれたこの大樹は、この黒衣森で一番大切な樹ともいえる。
しかしながら、精霊の樹であるためか、強い魔物が近付く事も少なく、レアヌ達も然程警戒する事無く樹のもとへと近付いていく。
ウルズに勝るとも劣らない、清涼な空気と微かな葉を揺らす風の音。
あまりの美しさに溜め息が出るような、光景。
「あれ?なにか、ううん、誰かいますよー?」
が、そこに異物があることに隊の一人、カスリは気が付く。
大樹のくすんだ茶色の幹に、一際映える金の髪。
真っ白なキャミソールのようなドレスワンピースを身に纏い、投げ出されている四肢はその先まで黒く長い艶のあるグローブとブーツに覆われている。
傍らには武器と思われるものも落ちている。
その姿形は銃のようであるが、その銃口の片側に刃も取り付けられている。
「手傷……は無いようですね。気を失っているだけのようです」
「隊長、これ変ですよ-。銃口みたいなものがあるのに、弾を入れる処が見当たらないですー」
「この子、何者なのかしら……」
精霊達は、この倒れている彼女を異物として見做している様子は無い。
それは例えばドライアドといった、精霊の影響下にある魔物達が彼女を襲う様子の無いことからも明らかで、レアヌは戸惑う。
ただ、この大樹の下が安全である保証がある訳でもなく、そもそも放っておけば彼女は野垂れ死ぬ可能性すらある。
「仕方ないわ、この子を本部へつれていきましょう。ジン、彼女の所持品と思われるものを拾い集めて。……触るのはいいけれど壊さないでよ、カスリ」
幹に身を預ける少女の背中と、投げ出された足の下に、それぞれ片腕を潜らせて抱き上げる。
カスリが何やら噴き出した気がするが、レアヌには何故か分からない。
隊員を促し、自らも歩き出す。
人気の無くなったエバーシェードに、小さな影が現れた。
黒ベースの体に、紫の目と耳をもつ、狐のような尻尾を持った宙を浮くネコのようなもの。
それは迷うこと無くこの場を去ったレアヌ達の後を追うようにエバーシェードを飛び出していった。
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