作中の『カミサマ』とは、Articolato Rosatraum Waentbryda Sterwilfin White Mithra Oblige Saccade のプレイヤーのこと。
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グリダニア新市街。
エーテライトプラザから西に離れたところにある双蛇党の本部では、ちょっとした騒ぎになっていた。
レアヌ達が拾ってきたオーバーテクノロジーを持った少女の一件である。
本部へ連れ込まれた彼女は、身体的には何の異常も無いことが確認された。何もなければ、その内目を覚ます事だろう。
しかし、問題となったのは、その彼女の持ち物だ。
彼女の近くに落ちていた、言わば銃剣といえる武器を始め、彼女は幾つかの銃火器を持っていた。
しかし、彼女の手持ちから銃弾は見付けられず。
いまのエオルゼアにエネルギー弾の技術はない、が、彼女の武装の弾はそれであるようにみえてならない。
「アラグの遺物を見ているかのような気分だな……それか、ライトニングの一件のようだ」
いくさびとの休日 2/6(後半)
夢を、見ていた。
仲間である筈の、アークス達から逃げるように、
私は奥へと駆け抜けていく。
私の命を討ち取らんとする彼らを、
時に大砲で撃ちとばし、長銃で撃ちぬき、銃剣で切りはらう。
それで、命までは取らぬ事は分かっていた。
それでも、肉を斬る感覚に、悲鳴に、強制送還の音に。
心が軋むのを、気付かない振りは出来なかった。
名も知らない一般アークスなら、それでもまだ。
けれど、逃げる先に立ち塞がったのは、先輩のアークスで。
目を見れば、言葉を交わせば、彼らもやはり暗示に囚われている事を思い知る。
銃口を向けながら、心の奥底で悲鳴を上げた。
他人がいる手前、強がって見せながら……
銃声が、響く。
「……っ!」
あれは過去だ。
つい最近の過去。
だから夢であるのは分かりきった事だ。
荒れた心拍を抑えるかのように、胸に手を当てた。
自身の拍動を微かに感じる。生きているのか、なんて思ったのはつい少し前に死を覚悟していたからだろうか。
「……ここは」
木製のベッドに、布のシーツ。小さな木造建築らしき一室に、どうやら私は寝かされているらしい。
惑星ナベリウスにはここまでの文化を持つ生物はいない。
どうやら、知らない星に飛ばされてしまったみたいだ。
……本当に、“違う星”だろうか
「いや、まさかな」
あの時自棄になって浮かべた言葉を思い出す。
どうせなら誰も私を知らないところへ。星ですらなく、世界すら違えば、確かに私を知るものなど誰もいない。
「まあ、それならそれでもいいか」
諦めのように呟いた言葉に、どうしてか心が痛んだ。
あの地にいても心苦しい癖に、どうしてだろう。
改めて、あたりを見渡す。
私が今着ているのは、ある伝承に伝わる天使の装束のレプリカ、「パニス・レプカ」
常に持ち歩いている休日着ではあるが、あの時着ていた覚えはない。
真っ白なシーツに、真っ白な掛け布団に、素朴な色合いが機械より自然に近い文化を思わせる。
木枠の窓の外から、森の木々の間を抜けた柔らかい光が差し込んでいる。
ベッドの傍らに、私のバックパックが置かれていることに気付いた。
その隣に愛用の銃剣、バウガーディンも無事なようだ。
大砲のフラントレイター、長銃のヴァルツフェニクスが圧縮パックに入っている。
幾つかの回復薬と、本来着ていた筈のものも含めた数着のコスチュームも入っている。
おおよそ中身は記憶と変わらない。情けない事にテレパイプを忘れていたのまで含めてである。
ただひとつ、マグのシャトがない。いや、あれはいないというべきか。
補助装置である「マグ」には自意識があり自立稼動をしている。
その仕組みは使用者であるアークスの私達でも詳しく知らないのだけれど、ペットみたいな扱いをされている事も多い。私も愛玩しているたちだ。
(しょうがない。探してやるしかないかなあ。どうも私、誰かに拾われたみたいだし)
取り敢えずこの軽装でいてもしょうがないし着替えよう。
そう思ってバックパックを置きなおしたところで木製の扉が開いた。
長耳の男女。ニューマン……にしては大きい。
なんせニューマン女性の最高身長は2mをぎりぎり越さない197cmと言われているのだ。
小さい者は140を越さないことすらある。2人は仮にニューマンだとしてもかなり高身長な部類には違いない。
もっとも、私の知らない星或いは世界であるならば、私の知らない人種であるのが妥当なのだけれど。
「目が覚めていたのか、気分は悪くないか?」
しかし驚く事に、彼は私と言葉が通じるらしい。
いや、正確に言えば異言語を話している。その意が何故だか理解できるのだ。
心配してくれているらしいその男性に、おそるおそる私も言葉を返す。
「大丈夫、ありがとう。貴方がたが助けてくれたのか?」
口をついで出たのもまた、異言語だった。どうやら今の私はこの星の言葉を無意識に話せるらしい。
「ええ、そういう事になるわ。体調の方が問題なければ悪いけれど少し質問に付き合ってくれる?」
「ん、ああ。構わないよ」
「星を渡る船の者……」
「それで、マルカートくんには戻るアテが今のところ無いと」
「ああ、バックパックにはテレポーターを作成する為の道具がなかったし。あったとしても私がここにいることが伝わっているか怪しい」
中空に情報端末を展開して見せる。驚く二人をよそに、見てみればオフラインの文字。
どうやらキャンプシップと繋がっていないだけでなく、オラクル船団の感知範囲外でもあるらしい。
「これが、オラクル文字?」
「うん、私は本当は君達と違う言語を使ってる。翻訳手段はあるんだけど、何時もならある程度のデータと本部の協力が必要なんだ。今この時点で会話が通じている理由は私にもわからない」
惑星を旅する私達は、「海」の弟シャオの演算能力によって自動相互翻訳を行い交流を図っている。
知識の海、アカシックレコード。私の世界ではそれは失われてしまったけれど、その血縁者がシャオで、彼もまた膨大な知識と、類まれな演算能力を持っている。
しかしながら飽くまで計算の末に結論を導き出すに過ぎず、その為には検証する為のデータとシャオの存在がいる。
端末がオフラインでは、少なくともシャオにこの状況は伝わっていない筈だ。
では何故話が通じるのか。都合が良いから深くは気にしない事にしたが。
「……参ったなあ」
しかしながら、問題は山積みだった。
違う星の民、と彼女は言った。
とても信じられない事ではあるが、彼女の武装や先程見せられた情報端末とやらを見せられては信じるしか無い。
彼女が帝国のスパイである可能性も全く無いわけではないが、それでもその帝国の技術すら彼女は上回っているように思える。
「そうだな、行く宛が無ければ俺達双蛇党の方で保護しよう」
「……すまないな、まあ元々武装警察のようなものの所属だ。戦力がいるなら……」
「いや、いい。寧ろその武装は使うな」
彼女の武器は未知数だ。
興味はあるが、人目に付けば噂となり、帝国の耳に入る可能性もある。
しかし、同時に彼女は自衛手段を失う事になる。彼女を保護するのは人道的な観点からだ、だが彼女にオーバーテクノロジーの行使の禁止を求めるのは……
打算的、としか言いようが無い。
彼女はまだ、帝国を知らない。正義も悪もない彼女なら、切欠さえあれば帝国の側に転ぶ可能性もある。
「えー、このせ……星にもエネミーはいるんだろう?」
「ああ、だが身の安全はこちらで確保する。だから悪いが……」
「わ、わかったわかったって。戻る手段が見付かるまで、宜しくお願いいたします」
やれやれといった風に要望に応じる彼女に、ほんの少し罪悪感を抱いた。穏便に事が済むと良いのだが……そう思った事は、後々考えれば所謂フラグというものであったのかもしれない。
エーテライトプラザから西に離れたところにある双蛇党の本部では、ちょっとした騒ぎになっていた。
レアヌ達が拾ってきたオーバーテクノロジーを持った少女の一件である。
本部へ連れ込まれた彼女は、身体的には何の異常も無いことが確認された。何もなければ、その内目を覚ます事だろう。
しかし、問題となったのは、その彼女の持ち物だ。
彼女の近くに落ちていた、言わば銃剣といえる武器を始め、彼女は幾つかの銃火器を持っていた。
しかし、彼女の手持ちから銃弾は見付けられず。
いまのエオルゼアにエネルギー弾の技術はない、が、彼女の武装の弾はそれであるようにみえてならない。
「アラグの遺物を見ているかのような気分だな……それか、ライトニングの一件のようだ」
いくさびとの休日 2/6(後半)
夢を、見ていた。
仲間である筈の、アークス達から逃げるように、
私は奥へと駆け抜けていく。
私の命を討ち取らんとする彼らを、
時に大砲で撃ちとばし、長銃で撃ちぬき、銃剣で切りはらう。
それで、命までは取らぬ事は分かっていた。
それでも、肉を斬る感覚に、悲鳴に、強制送還の音に。
心が軋むのを、気付かない振りは出来なかった。
名も知らない一般アークスなら、それでもまだ。
けれど、逃げる先に立ち塞がったのは、先輩のアークスで。
目を見れば、言葉を交わせば、彼らもやはり暗示に囚われている事を思い知る。
銃口を向けながら、心の奥底で悲鳴を上げた。
他人がいる手前、強がって見せながら……
銃声が、響く。
「……っ!」
あれは過去だ。
つい最近の過去。
だから夢であるのは分かりきった事だ。
荒れた心拍を抑えるかのように、胸に手を当てた。
自身の拍動を微かに感じる。生きているのか、なんて思ったのはつい少し前に死を覚悟していたからだろうか。
「……ここは」
木製のベッドに、布のシーツ。小さな木造建築らしき一室に、どうやら私は寝かされているらしい。
惑星ナベリウスにはここまでの文化を持つ生物はいない。
どうやら、知らない星に飛ばされてしまったみたいだ。
……本当に、“違う星”だろうか
「いや、まさかな」
あの時自棄になって浮かべた言葉を思い出す。
どうせなら誰も私を知らないところへ。星ですらなく、世界すら違えば、確かに私を知るものなど誰もいない。
「まあ、それならそれでもいいか」
諦めのように呟いた言葉に、どうしてか心が痛んだ。
あの地にいても心苦しい癖に、どうしてだろう。
改めて、あたりを見渡す。
私が今着ているのは、ある伝承に伝わる天使の装束のレプリカ、「パニス・レプカ」
常に持ち歩いている休日着ではあるが、あの時着ていた覚えはない。
真っ白なシーツに、真っ白な掛け布団に、素朴な色合いが機械より自然に近い文化を思わせる。
木枠の窓の外から、森の木々の間を抜けた柔らかい光が差し込んでいる。
ベッドの傍らに、私のバックパックが置かれていることに気付いた。
その隣に愛用の銃剣、バウガーディンも無事なようだ。
大砲のフラントレイター、長銃のヴァルツフェニクスが圧縮パックに入っている。
幾つかの回復薬と、本来着ていた筈のものも含めた数着のコスチュームも入っている。
おおよそ中身は記憶と変わらない。情けない事にテレパイプを忘れていたのまで含めてである。
ただひとつ、マグのシャトがない。いや、あれはいないというべきか。
補助装置である「マグ」には自意識があり自立稼動をしている。
その仕組みは使用者であるアークスの私達でも詳しく知らないのだけれど、ペットみたいな扱いをされている事も多い。私も愛玩しているたちだ。
(しょうがない。探してやるしかないかなあ。どうも私、誰かに拾われたみたいだし)
取り敢えずこの軽装でいてもしょうがないし着替えよう。
そう思ってバックパックを置きなおしたところで木製の扉が開いた。
長耳の男女。ニューマン……にしては大きい。
なんせニューマン女性の最高身長は2mをぎりぎり越さない197cmと言われているのだ。
小さい者は140を越さないことすらある。2人は仮にニューマンだとしてもかなり高身長な部類には違いない。
もっとも、私の知らない星或いは世界であるならば、私の知らない人種であるのが妥当なのだけれど。
「目が覚めていたのか、気分は悪くないか?」
しかし驚く事に、彼は私と言葉が通じるらしい。
いや、正確に言えば異言語を話している。その意が何故だか理解できるのだ。
心配してくれているらしいその男性に、おそるおそる私も言葉を返す。
「大丈夫、ありがとう。貴方がたが助けてくれたのか?」
口をついで出たのもまた、異言語だった。どうやら今の私はこの星の言葉を無意識に話せるらしい。
「ええ、そういう事になるわ。体調の方が問題なければ悪いけれど少し質問に付き合ってくれる?」
「ん、ああ。構わないよ」
「星を渡る船の者……」
「それで、マルカートくんには戻るアテが今のところ無いと」
「ああ、バックパックにはテレポーターを作成する為の道具がなかったし。あったとしても私がここにいることが伝わっているか怪しい」
中空に情報端末を展開して見せる。驚く二人をよそに、見てみればオフラインの文字。
どうやらキャンプシップと繋がっていないだけでなく、オラクル船団の感知範囲外でもあるらしい。
「これが、オラクル文字?」
「うん、私は本当は君達と違う言語を使ってる。翻訳手段はあるんだけど、何時もならある程度のデータと本部の協力が必要なんだ。今この時点で会話が通じている理由は私にもわからない」
惑星を旅する私達は、「海」の弟シャオの演算能力によって自動相互翻訳を行い交流を図っている。
知識の海、アカシックレコード。私の世界ではそれは失われてしまったけれど、その血縁者がシャオで、彼もまた膨大な知識と、類まれな演算能力を持っている。
しかしながら飽くまで計算の末に結論を導き出すに過ぎず、その為には検証する為のデータとシャオの存在がいる。
端末がオフラインでは、少なくともシャオにこの状況は伝わっていない筈だ。
では何故話が通じるのか。都合が良いから深くは気にしない事にしたが。
「……参ったなあ」
しかしながら、問題は山積みだった。
違う星の民、と彼女は言った。
とても信じられない事ではあるが、彼女の武装や先程見せられた情報端末とやらを見せられては信じるしか無い。
彼女が帝国のスパイである可能性も全く無いわけではないが、それでもその帝国の技術すら彼女は上回っているように思える。
「そうだな、行く宛が無ければ俺達双蛇党の方で保護しよう」
「……すまないな、まあ元々武装警察のようなものの所属だ。戦力がいるなら……」
「いや、いい。寧ろその武装は使うな」
彼女の武器は未知数だ。
興味はあるが、人目に付けば噂となり、帝国の耳に入る可能性もある。
しかし、同時に彼女は自衛手段を失う事になる。彼女を保護するのは人道的な観点からだ、だが彼女にオーバーテクノロジーの行使の禁止を求めるのは……
打算的、としか言いようが無い。
彼女はまだ、帝国を知らない。正義も悪もない彼女なら、切欠さえあれば帝国の側に転ぶ可能性もある。
「えー、このせ……星にもエネミーはいるんだろう?」
「ああ、だが身の安全はこちらで確保する。だから悪いが……」
「わ、わかったわかったって。戻る手段が見付かるまで、宜しくお願いいたします」
やれやれといった風に要望に応じる彼女に、ほんの少し罪悪感を抱いた。穏便に事が済むと良いのだが……そう思った事は、後々考えれば所謂フラグというものであったのかもしれない。
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