作中の『カミサマ』とは、Articolato Rosatraum Waentbryda Sterwilfin White Mithra Oblige Saccade のプレイヤーのこと。
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基本的な話である。
グリダニアの軍隊は幾つかに別れている。その内主要なものが、国外に向けた対応を主とする神勇隊と国内の憂いに向けた対応を主とする鬼哭隊のふたつである。
そして国内の憂いとはすなわち治安維持。
貴人の護衛も仕事のうちである。もっとも、顔を出さねばならぬ場などにおいては神勇隊が代役を担うこともある。
グリダニアにおいて、まず一番護衛の機会が多いであろう存在と言えば。その経験こそ信頼と実力の証と言える相手がいる。
精霊の声を聞くことが出来る高位の幻術士達、言わば道士と呼ばれる者達である。
「全く、何処へお行かれになられたのだ……」
精霊評議会に名を連ねる程の道士となると、その名の重さは計り知れない。当然、本来見失って捜索せねばならぬ等という事は護衛失格と言っても過言ではない。しかして、この道士の護衛が道士を見失ったと報告してくるのは、何も一度や二度の事ではない。
「私が護衛でなければすぐ逃げ出されて……彼女に撒かれる護衛にも叱咤せねばならんが一度きついお灸が必要なのかもしれんな」
私は鬼哭隊の、ル・ハイノ。
そして問題の道士こそ。
厄神乙女、アンフェルツィート。
精霊の声を聞くことの出来ない、一介の冒険者からシェーダーでありながらも道士となったエレゼンの女性である。
しかしながら、困ったものである。
部外者から、偶然によって白魔道士となり、角尊でもない彼女を出来る限り特例にしない為、彼女は望まれて道士となった。
囲い込みと言っても良いのかもしれない、だからか彼女は彼女自身が道士であるということを度々軽んじる。今だって、自分が出席しようが欠席しようが大差ないと考えていることだろう。
彼女が、特異な人間であるということは私も良く知っている。しかしながら、このような軽視が度々他人を振り回し困らせていることをいい加減気付いて貰うべきなのだろう。
「やれやれ、どうしたものかな」
今の私には別の任務も入っていてとてもじゃないが彼女の捜索に割ける時間が無いのだが。
一方で、並の隊員であれば召喚術と幻術を操り、撒いてしまうのが彼女でもある。
どうしたものか。
そう思う私の目の前を、見慣れた尻尾が横切った。
その尻尾の持ち主に予測がいき、私の心は綻ぶ。
そうだ、こいつは適任ではないか。
私はその尻尾に声を投げかける。
「……カスリ!少し良いか」
『少女が、道士であればこそ』
「道士の捜索!?」
グリダニア新市街、カーラインカフェ。
その片隅で驚きと焦りの混ざったような声が上がっていた。
慌てて声の主を制する姿も見える。周囲のざわつきが、内容が確かにただ事でないことを証明している。
「ちょ、ちょっと落ち着いてください」
「いや落ち着くのは良いのだけれども……カスリ、これ本当に“ちょっと頼みたいこと”なの?」
「う、うん」
この場の誰もが、道士というものがどんな存在か分からないなんてことは無い。其れが如何にこの都市を運営していくにおいて、どれだけ大事な存在かも。
「今夜の精霊評議会に出席予定の道士が、護衛を振り切って外遊中なので探して欲しい。って……振り切って?」
「うん。ハイノがそういってたから間違いないみたい」
こんな昼間からカーラインにいる面々の一部は常連というものである。その一部には、ハイノという名前で既に察しがついたらしい。声の主のテーブルを除いて、緊張した雰囲気は壊れきっていた。
「それってどういう……」
「失礼、双蛇党の方々。その道士なのだけれど……若しかしてアンフェルくんかい?」
テーブルに差し入れのスープを片手に、声をかけたのはカーラインカフェのマスターだ。肯定するミコッテの隊員に、彼女ミューヌはやれやれと溜め息をついて隊長のエレゼンに答えた。
「アンフェルくんは冒険者でね……道士の仕事を、特に精霊評議会をサボるためによくこうなるんだ……」
「さ、サボ……」
「道士様ともあろうものがさぼ……」
「ハイノの上司って……」
「冒険者ギルドにも登録している身だから、迷惑を考えてそう遠くには出てないだろう。申し訳ないが、頼めるかい?」
冒険者ギルドに所属している冒険者は、交流の利便性の為ある程度の居場所を冒険者ギルドに教えるよう設定することが出来る。其れを冒険者ギルドを通じて検索出来るようにしていたり、ギルド運営のパーティ募集掲示板に提供されていたりする。
出来ることの多さに、拒否するのは稀な程だ。
「今彼女は中央森林にいるだろう。広いから大変だとは思うけれど……」
「いえ、此方の不手際で何時もすみません……」
元とは言えば護衛が撒かれなければよいという話でもあるし、道士がサボタージュしようとしなければよいという話でもある。
エレゼンの隊員……レアヌと、ミューヌは、何だか互いに申し訳ないような気まずいような、そんな顔を見合わせるのであった。
グリダニアの軍隊は幾つかに別れている。その内主要なものが、国外に向けた対応を主とする神勇隊と国内の憂いに向けた対応を主とする鬼哭隊のふたつである。
そして国内の憂いとはすなわち治安維持。
貴人の護衛も仕事のうちである。もっとも、顔を出さねばならぬ場などにおいては神勇隊が代役を担うこともある。
グリダニアにおいて、まず一番護衛の機会が多いであろう存在と言えば。その経験こそ信頼と実力の証と言える相手がいる。
精霊の声を聞くことが出来る高位の幻術士達、言わば道士と呼ばれる者達である。
「全く、何処へお行かれになられたのだ……」
精霊評議会に名を連ねる程の道士となると、その名の重さは計り知れない。当然、本来見失って捜索せねばならぬ等という事は護衛失格と言っても過言ではない。しかして、この道士の護衛が道士を見失ったと報告してくるのは、何も一度や二度の事ではない。
「私が護衛でなければすぐ逃げ出されて……彼女に撒かれる護衛にも叱咤せねばならんが一度きついお灸が必要なのかもしれんな」
私は鬼哭隊の、ル・ハイノ。
そして問題の道士こそ。
厄神乙女、アンフェルツィート。
精霊の声を聞くことの出来ない、一介の冒険者からシェーダーでありながらも道士となったエレゼンの女性である。
しかしながら、困ったものである。
部外者から、偶然によって白魔道士となり、角尊でもない彼女を出来る限り特例にしない為、彼女は望まれて道士となった。
囲い込みと言っても良いのかもしれない、だからか彼女は彼女自身が道士であるということを度々軽んじる。今だって、自分が出席しようが欠席しようが大差ないと考えていることだろう。
彼女が、特異な人間であるということは私も良く知っている。しかしながら、このような軽視が度々他人を振り回し困らせていることをいい加減気付いて貰うべきなのだろう。
「やれやれ、どうしたものかな」
今の私には別の任務も入っていてとてもじゃないが彼女の捜索に割ける時間が無いのだが。
一方で、並の隊員であれば召喚術と幻術を操り、撒いてしまうのが彼女でもある。
どうしたものか。
そう思う私の目の前を、見慣れた尻尾が横切った。
その尻尾の持ち主に予測がいき、私の心は綻ぶ。
そうだ、こいつは適任ではないか。
私はその尻尾に声を投げかける。
「……カスリ!少し良いか」
『少女が、道士であればこそ』
「道士の捜索!?」
グリダニア新市街、カーラインカフェ。
その片隅で驚きと焦りの混ざったような声が上がっていた。
慌てて声の主を制する姿も見える。周囲のざわつきが、内容が確かにただ事でないことを証明している。
「ちょ、ちょっと落ち着いてください」
「いや落ち着くのは良いのだけれども……カスリ、これ本当に“ちょっと頼みたいこと”なの?」
「う、うん」
この場の誰もが、道士というものがどんな存在か分からないなんてことは無い。其れが如何にこの都市を運営していくにおいて、どれだけ大事な存在かも。
「今夜の精霊評議会に出席予定の道士が、護衛を振り切って外遊中なので探して欲しい。って……振り切って?」
「うん。ハイノがそういってたから間違いないみたい」
こんな昼間からカーラインにいる面々の一部は常連というものである。その一部には、ハイノという名前で既に察しがついたらしい。声の主のテーブルを除いて、緊張した雰囲気は壊れきっていた。
「それってどういう……」
「失礼、双蛇党の方々。その道士なのだけれど……若しかしてアンフェルくんかい?」
テーブルに差し入れのスープを片手に、声をかけたのはカーラインカフェのマスターだ。肯定するミコッテの隊員に、彼女ミューヌはやれやれと溜め息をついて隊長のエレゼンに答えた。
「アンフェルくんは冒険者でね……道士の仕事を、特に精霊評議会をサボるためによくこうなるんだ……」
「さ、サボ……」
「道士様ともあろうものがさぼ……」
「ハイノの上司って……」
「冒険者ギルドにも登録している身だから、迷惑を考えてそう遠くには出てないだろう。申し訳ないが、頼めるかい?」
冒険者ギルドに所属している冒険者は、交流の利便性の為ある程度の居場所を冒険者ギルドに教えるよう設定することが出来る。其れを冒険者ギルドを通じて検索出来るようにしていたり、ギルド運営のパーティ募集掲示板に提供されていたりする。
出来ることの多さに、拒否するのは稀な程だ。
「今彼女は中央森林にいるだろう。広いから大変だとは思うけれど……」
「いえ、此方の不手際で何時もすみません……」
元とは言えば護衛が撒かれなければよいという話でもあるし、道士がサボタージュしようとしなければよいという話でもある。
エレゼンの隊員……レアヌと、ミューヌは、何だか互いに申し訳ないような気まずいような、そんな顔を見合わせるのであった。
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